私は起きて三分以内に姉のベッドに潜り込まなければならなかった

綾乃姫音真

私は起きて三分以内に姉のベッドに潜り込まなければならなかった

 私には三分以内にやらなければならないことがあった。スマホのアラーム音で目覚めた私は、さっさとベッドから下りてぐぐっと背伸びをひとつ。


「急げ、急げ」


 女子高生として朝起きたら他にすることが……なんてツッコミが浮かんでくるけれど黙殺。寝相が悪いせいで膝上まで捲れ上がってるパジャマを直しながら隣の部屋へ向かうことにする。


「寒っ!」


 廊下に出た瞬間、冷気に襲われた。上着を羽織りたいけど、目的のためには邪魔になるから我慢! なるべく薄着のほうが感触や温もりが生々しくて好きなんだよねぇ。


 ノックもせずに部屋に侵入してベッド脇へ移動すると、規則正しい寝息を立てている姉の寝顔が目に入った。整った顔立ちに、長いまつげ。双子で同じ造形なのに、私よりも圧倒的に可愛いとも美人とも思える不思議。


 ってのんきに眺めてる時間はないんだった。私と姉さんが設定しているアラームの時間差は三分だけ。恐らくすぐに鳴ってしまうはず。


「失礼しまーす」


 私は迷わずに姉さんのベッドに潜り込んだ。顔が丁度姉さんの胸の前に来るように調整して準備オッケー。呼吸する度に姉さんの甘い香りが鼻をくすぐる。なんで同じシャンプー使ってるのにこんないい匂いがするんだろ。なんて思った直後――


 ジャラー♪


 と、ヘッドボードに置かれているスマホから姉さんの好きなアイドルアニメのOPが大音量で流れ出す。


「んん……あさぁ?」


 モゾモゾと手を伸ばしてアラームを止めると、姉さんの腕がそのまま私を抱きしめた。


 きたぁぁぁ! これこれ! このために私は姉さんより三分早く起きてるの!


「んぷっ」


 むぎゅぅっと、パジャマ越しに姉さんのノーブラおっぱいに埋もれる私。幸せだった。少しだけ苦しくて、柔らかくて心地よい。Dカップの双丘は寝汗の混ざった姉さんの匂いがする。


 難点は、姉さんの意識がハッキリしたらベッドから叩き落されること。まぁ毎朝この天国を堪能できるなら構わない。姉さんの習性に感謝だ。

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私は起きて三分以内に姉のベッドに潜り込まなければならなかった 綾乃姫音真 @ayanohime

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