駅に行く

梅林 冬実

きっと私は

いつかきっと。


愛し愛され慈しみ尊び合いながら、共に生きる。

そんな人が表れる。

とても自然な流れでその瞳を見た瞬間、運命の人と気づく。相手も恐らくは同じ思いで。

ふたり、空間を泳ぎ始める。

 目線を重ね、心を重ね。気持ちが通じ合う頃にはその人の虜になっていて。その人は恐ろしく従順な女を従える勇敢な騎士となって、強風にたなびく金色の旗を掲げ、私を伴い荒野を目指す。体躯に恵まれた黒馬を操るその人の背中に必死にしがみつきながら、頬や唇に撥ねる泥を気に留めることなく、太陽が昇る大地に目を凝らす。


「ふたりならきっとうまくやれる」


そんなセリフが耳を擽る頃。麗しい乙女に成長した私は、無垢な心で思いに応えるのだ。


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