#三題噺

「誕生」「花粉」「防災」

風よ

海よ

夏よ

空の声が

聞きたくて

君の声を

さがしてる

あの夏の日

君は

僕のバイクの

タンデムシートにまたがって

湾岸道路を

飛ばしていたとき

花粉症の君は

花粉を避けるために

ビーチパラソルを

オープンして…

うしろに吹っ飛んで…

アスファルトとキスをして…

海になっちまった

だめだよ

バイクで走ってるときに

そんなもん広げちゃ…

それはさておき

いつしか

あの場所が

心霊スポットに

なっちまった

レースクイーンの

幽霊が誕生したって

もっぱらの噂だよ

だめだよ

水着で

パラソル持ったまま

おばけになっちゃ…

こんなウワサも聞いたんだ

バドワイザーの

ハイレグ水着に

ハイヒールはいた

おばけが出るって

だめだよ

死んだとき

そんな格好じゃ

なかっただろ

なにを

死んでから

エンジョイ

してるんだよ

まぁでも

楽しそうだから

どうでもいっか

そんなことより

僕のバイクの

ブレーキワイヤー

すぐ切れるし

走ってる途中で

いろんな部品が

おっこちるんだけどさ

これって

災難なのかな？

もっと防災意識を

高めたほうが

良いのかな？

なんちゃってね

知ってるよ！

君の仕業だよね

だめだよ

僕を

そっちに連れて行こうと

しちゃ…

かりに

僕がそれで

バイクでコケて

海になって

君の世界にいったとしても

君と仲良くは出来ないよ

だってそうだろ

じぶんをころした

犯人と

うまく笑える

自信がないからねっ

風よ

海よ

夏よ

神社よ

お寺よ

今から

お祓いに

いきます

元カノの

悪霊を

祓いたまえ

清めたまえ

水平線

明るくなり始めた

夜明けまえ

ようやく

暑くなり始めた

夏の少しまえ

もう５０分

過ぎたよ

ウーバーイーツの

ピザのでまえ

悪霊〓たまこ〓退散