主の祈り

ヘンリー?「祈ってもムダだ」(0:33:42)


 主の祈りを唱えるアモルト神父。

 この「主の祈り」はキリスト教の最も代表的な祈祷文だ。

 それに対し、ムダと言ってのけるヘンリー。

 そしてアモルト神父はヘンリーの眼の前にメダルを突き出す。

 このメダルはカトリックのお守りでメダイという。

 イエスや聖母マリア、天使、聖人など、色々なモチーフがあり、それぞれ効果が違うので選んで身につけるのだ。

 形もこのように厚かったり、薄いものもあったり様々だ。

 このとき、アモルト神父が突き出したのは聖ベネディクトのメダイである。

 聖ベネディクトは毒殺をまぬがれた逸話から魔除けのイメージが付き、以来この図案のメダイが作られた。

 それを突き出されたからこそ、ヘンリーの中の悪魔は押し黙り、そしてその姿の一部をあらわにしたと考えられる。

 そして問答の末、ラテン語で話し始める。

 悪魔は相手の知り得ない、認めたくない罪を突く。

 そして魂に揺さぶりをかける。

 悪魔はアモルト神父の「悪夢」だと思っている過去を見透かし、恐れたアモルト神父を追い詰めるためにその名を口にしたのだ。

 そして最も「罪」を感じている過去を思い出させるために鳥を吐き出す。

 キリスト教ではイエス・キリストによってすべての罪は赦されているため、罪から逃れられないというのは悪魔的な考えになるわけだ。(このあたりの概念を知りたい方は直接私に聞いて欲しい)

 それが「お前の罪はお前を探し出す」という台詞につながっている。

 


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