1970年代のアメリカの育児

ヘンリー「ベイビーが腹減ってんだ。雌豚。おっぱい飲ませなかったもんな、ママ」(0:25:29)


 ヘンリーが、母親の胸を触るシーンだ。

 60年代アメリカでは7割とされた母乳育児は70年代には3割に激減していたという。

 よってヘンリーはその見た目年齢から逆算すると70年代の粉ミルクによる育児を受けていたのだろう。

 つまりヘンリーはヘンリー自身が覚えていないであろう乳幼児のことについて言い始めたのだ。

 これは粉ミルクによる育児を非難するということではなく、母ジュリアがそのことについてなにかしらの後悔や懸念を感じていることの示唆だろう。

 もしかしたら、ジュリアは粉ミルク育児のせいでヘンリーがなんらかの影響を受け、喋らなくなったと考えているところがあるのかもしれない。

 ヘンリーに取り憑いているのが悪魔だとすれば、悪魔は人の弱みにつけ込む。

 そして声の変質はだんだんと増していく。

 

 

 次のシーンでは司祭を連れてこいと言われ、異変を感じたジュリアに呼ばれたトマース神父がドアを開けるなり吹き飛ばされる。


 これらのシーンをもって、先に述べた憑依を見分けるための4つの指標は満たされた。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る