第1.9次朝鮮戦争

ライ

開戦前夜

 10月21日 ミサイルの発射が確認された…


 10月18日 アメリカの民間軍事会社CometのCEOケネス・クラークはCIA局員マイケル・べレスに対し交渉を持ちかけていた。

「作戦に成功した場合500万ドル支払うことを約束する」

「わかった、ただし先に100万ドルを払ってもらおう」

「わかった、明日振り込もう」

「Zarreへの取引き料と前払い報酬の振り込みが確認され次第作戦を決行する」

 クラークが提案した話はこうだ、べレスを介し連絡を受けたイランのハッカー集団Zarreが北朝鮮・中国のミサイルの管制室に対しハッキングを行い韓国軍基地に対し攻撃を行う。韓国軍は反撃体制につき直ちに北朝鮮に攻撃を開始する、すると米軍が支援を始め日本やイギリスが参戦する。北朝鮮側には中国やロシアが参戦することで休戦状態の朝鮮戦争を再開することができるという算段だ。実際朝鮮戦争ではアメリカによる空爆などに晒されたことにより金日成が休戦を望むほどに優位に立てた。

 攻撃が成功した際ボーイングやロッキード・マーティンなどの兵器製造会社の株は上がり同時にCometの株が上がることも予想できる。


 10月19日 ベレスはクラークから振り込み完了の連絡を受けたため口座の確認を行いネットへの接続を開始した、Torを利用しZarreと書かれたフォームに辿り着いた。十数桁のパスワードとユーザーIDを入力すると暗号表とメールアドレスそして日時が表示された、その日時から2時間以内に連絡を取り取引を行うという仕組みだ、日時には10200830と書かれていた。


 10月20日 午前8時半、ベレスは指定のメールアドレスに暗号文を介し以下の文章を送った”hack missile CN/NK to KO 7miD”返信はすぐに帰ってきた、”BANK 5******”口座番号だ、700万ドルで取引が成立したということだろう。

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 10月19日 CIA局員のジョセフ・グリーンは同僚のベレスの怪しげな動きに気づいていた、グリーンはベレスの動向を監視することにした。監視カメラや盗聴器を仕掛けたが監視カメラでは鮮明なPCの画像を得ることはできなかった。しかし盗聴器ではクラークと名乗る人物への振り込み完了という連絡が録音されていた、何のためにいくら振り込まれた金かが未だ定かではない為明日も監視を継続することに決めた。


 10月20日 グリーンはベレスの監視を続けたが監視カメラによりPC映像が録画できないことは昨日把握できた、よって危険をおかしベレスを尾行することにした。ベレスは朝からメールを送信していた、遠くから双眼鏡を使い目視することができたが内容は暗号文のようなものでありメールアドレスも見切れていて把握できなかった、暗号文を使うには何か知られてはいけない話をしていると考えることは容易だがそれ自体を犯罪と断定するには証拠が一つもない、暗号を解読する他に方法はなかった。

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10月21日 中国と北朝鮮がミサイルを確認できる範囲で早計八発発射したとの情報が入った






はずだった…

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