踏んではいけない

九十九 千尋

プロローグ

伊勢神宮の荒祭宮あらまつりのみやに差し掛かった時、何処からともなく鳥の鳴き声が聞こえてくるだろう。彼らは、その声はスマートフォンを通してあなたに届ける。何か、言っておきたいことがあるのだとか……


「ははん、人間は便利な物を作ったようですな。ああ、いけません。あっしを探さんでください。最も、あっしを見つけたところで野鳥にしか見えないでしょうがね」


謎の声の主は、そうしてあなたに語り掛けてくる。

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