魔法少女は死んでいる❣

鳥ノスダチ

プロローグ

 ああ、魔法少女が死にました。


 せっかく、契約書も作ってレッスン料まで払って死にました。


 かけた時間は二度と帰ってきません。


 希望と勇気だけ振りまいて死にました。


 割と気持ちいいほどスッキリした死にっぷりでした。


 ─あなたじゃ無理。


 ─勝てるわけがない止めておけ。


 こちらの言葉なんて届いていなかったのでしょう。


 ─大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫…はぁ、言うだけならタダですからね。


 新しいのを探しましょう。


 体が壊れるのを厭わず、死すら恐れず。


 希望に溢れず、イイ感じ絶望していたらなおいいでしょう。


 あぁ、ちょうど良いのが転がっていました。地面に転がっていました。


 血反吐まき散らして、今も皆から踏まれてイイ感じにかわいそうです。


 世間からの共感を得られるでしょう、同情を誘えるでしょう。


 最高ですね。


 頃合いを見計らいましょう。


 今度は救世主のように絶対的な味方に見えるように。


 助けてあげましょう。


 大丈夫、悪いことはしません。むしろ称賛されるでしょう。


 報酬は、たった一度きりの願いを叶える力です。


 いいでしょう?皆、欲しがりますよ。


 死ぬのを待つのは退屈ですね。


 これからがとても楽しみです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る