誰の耳元でもささやける私は異世界で神となった。
@baibaisan
第1話 風の噂
何のためにうまれて何をして生きるのか?
連絡が絶たれて早6年。
友達が次々と結婚をしていき子供も生まれている家庭もあるということはママから何度も聞かされていた。何となく気になって調べたはいいが押し寄せる幸せの波や流れる子供用(大人用)の曲に胸を刺されて意気消沈。
力なくスマホの電源を落とす。
最悪の気分だ。
私にヒーローはいないのか。
垂れてきた液体がそのまま枕に吸収された。
出てくる嗚咽でのどが痛まないか心配だったが止めることはできなかった。
時計の針が12時を回り私の若さに終わりを告げた頃、
私は通知がこないかスマホを持ちあげ顔の上に掲げた。
脱力したせいもあったのか力が抜けておりスマホが手の中から私の顔へと滑り落ちた。そして自由落下をしたスマホが鼻に当たると同時に私は今世から意識を手放した。
尋常ではない光が目を差した。
鬱陶しいのでカーテンを閉めようとしたがどうにもつかめない。
しょうがなく身を起こし目をひらいた。
「おはよう」
光る物体がこちらに話しかける。
「口を開く必要はないよ。わかるから」
そう言って物体はこちらへと近づいてきた。
周りが薄暗い中喋る光る物体という異様な雰囲気だがなぜか疑問は出なかった。
「君はね死んじゃったんだよ」
光る物体はゆっくりと話す
「本来なら転生をするだけなんだけど、才能を活かすことができずに死んじゃったのは可哀想だと思ったからもう一度チャンスをあげるよ」
「その代わりと言っては何だけど僕のお願いを聞いてほしい」
「僕の存在を広めて」
「その他のことは自由にしてくれていいから。じゃあもう一回の人生楽しんで」
光る物体がそういうと
考える余地もなく私はまた暗闇に包まれた。
目が覚めると私は異世界にいた。
そう気づいたのは三歳を数える頃だった。
手足を動かすのに苦労するし言葉も拙いがあることができた。
風の噂によるとこの町には神の恩恵を受けた子供がいるらしい。
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