2章

第22話 グランディさんを手に入れたい! シャルロッテ視点

【シャルロッテ視点】


「グランディ様が勝ちましたね。お嬢様」

「そうね。わたしの予想通りだったわ」


 わたし、シャルロッテは第1王女だ。

 第1王子、クロードお兄様の妹。

 で、メイドのアンナと部屋で話していた——


「今回の件で、クロード殿下は王位継承権者から外されました。ということは、お嬢様が——」

「そう。わたしが、王位に近づいたということ、ね」


 わたしにとって、これはチャンスだ。

 わたしが、王位に就くことができる。

 「あの計画」を進めるためには、王位は必要だ。


「今のわたしには、有能な味方が必要。だから——」

「グランディ様を、お嬢様の陣営に引き込むのですね」

「察しがいいじゃない。グランディ様を手に入れないといけない……」


 圧倒的不利な状況。

 そこからの、大逆転勝利——

 周囲から「絶対無理」「バカw」と言われようとも、戦略を立て、実行し、勝ちに行く。

 グランディ様は、まさに勝つ側の人間。

 どんな手を使っても、手に入れないといけない。


「わたしには、敵がいっぱいいるわ。特にエドモンド公爵が最近力をつけていて……」

「そのエドモンド公爵ですが、わたしの情報源によると、冒険者ギルド【栄光の剣】を買収したようです」

「マズイわね……。【栄光の剣】はSランクギルドで、王国トップの実力があるわ」


 エノス・ノーデス・エドモンド公爵——

 現国王の弟であり、貴族のトップ、貴族長の地位にある有力者。

 表向きは王位に興味のないフリをしているが、裏では足場を固めて、王位を狙っている……

 王位継承順位は3位。

 つまり——王位継承順位2位のわたしが死ねば、エドモンド公爵は王位に就くことになる。


 トップ冒険者ギルドを買収したことで、エドモンド公爵は、冒険者の支持を得たことになる。

 もしエドモンド公爵がクーデターを起こす時は、冒険者たちはエドモンド公爵の味方に……

 形勢はあたしにとって、ものすごぉぉぉく不利。

 しかも——


「お父様は、エドモンド公爵の動きを知っているのかしら?」

「はい。国王陛下にはわたしから報告しました」

「で、お父様はなんて言っていたの?」

「【はっはっは! 我が娘のピンチだな! どう切り抜けるか楽しみだ……っ!】と、満面の笑みでおっしゃっていました」

「あのクソ親父……!」

「ダメですよ、お嬢様。国王陛下を【クソ】呼ばわりしはいけません」

「……クソ・クソ・クソぉぉぉ!」

「お、お嬢様……」

 

 アンナが引いているが、あたしは【クソ】を連呼せずにはいられない。

 無理もない。

 だって実の父親が、娘のピンチを楽しんでいるのだから。

 

 (まあ、お父様らしいけどね……)


「とにかく……エドモンド公爵に対抗しないと。冒険者を手に入れたのなら、次は——」

「アスラン商会、ですね」

「そうね。武力を手にしたら、次はお金。アスラン商会も抱き込まれたら本当に危険よ」

 

 アスラン商会は、王国トップの商会。 

 ダンジョンから採掘される魔石の取引を、すべて独占している。

 国家予算の2倍はお金を貯め込んでいるという噂。

 エドモンド公爵の接近は、なんとしても阻止しなければ……っ!


「どんな手を使っても、グランディさんを手に入れなくちゃいけないわ。グランディさんは、わたしたちが勝つために絶対に必要不可欠」

「お嬢様……実は、エドモンド公爵もグランディ様に目をつけていたようで、近々接触をはかるつもりです」

「なるほどね。さすがはエドモンド公爵。じゃあ、すぐにでもグランディ様と接触しないと……」

「はい。お嬢様」


 すっと、アンナは姿を消した。

 アンナは代々王家に仕える暗殺者の一族。

 あたしの命令は即座に実行する。

 

「ふふ。グランディさん。お会いできるのが楽しみです……♡」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【★あとがき】


新章スタートです!

遅くなりすみません!


モチベになりますので、


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