第1章 前進
────── 翌日。総務から連絡だ。
『新しい仲間を紹介する。』
との事。施設内の訓練場に行くと全員初めましてだった。
総務「総監よ。帰って来たこの施設の者達だ。」
?「私はニュートン。以後 お見知り置きを。」
?「我はクロムウェル。お前が我が総監か。」
?「初めまして。ジャンヌ・ダルクと申します。」
それぞれの挨拶や10分程軽い会話をした。そこで思った。濃い。全員キャラが濃い。
とにかく濃い。
ニュートンは知識欲が凄い。彼は常に何かを学んでいる。しかも記憶力が高いらしく一度見聞きした事を全て覚えるらしい。
次にジャンヌ・ダルクだ。彼女は清楚なお嬢様である。だがクロムウェル曰く 戦闘に入ると口調も変わり 暴走するらしい。
最後にクロムウェル。彼は常に不機嫌そうな顔をしているが 意味は無いらしい。何気に仲良くなれそうだ。
総監「取り敢えず...部屋に戻ろう。」
クロムウェル「了解した。これ以上此処に居ても意味は無いからな。」
ジャンヌ「えぇ。行きましょう。」
ニュートン「はい 皆さん行きますよ〜。」
四人は部屋に戻った。するとイヤホンが振動する。何やらメールだ。表示された物を見ると 政宗さんからだ。
『ジャンヌ達と仲良くなったらしいな。私としても嬉しい。今総務達は惨劇の正体を突き止めている。あの機械兵器は何なのか。誰があれを造ったのか。何故破壊を止めないのか。疑問は止まない。だがこれだけは言える。惨劇を止める。例え死ぬとしてもだ。...協力..してくれるか?』
こう返信した。
『当たり前です。総監になったからには 仕事はきっちりやりますよ。』
『頼もしいな。心強い限りだ。では頼むぞ..我が総監。』
まだ慣れない。自分が総監の肩書きを持つ事に。だがやるしかない。自分はこの施設の総監だ。その肩書きに恥じぬよう 職務を全うするのみだ。そう思っていると ニュートンが話しかけて来た。
ニュートン「総監殿。少し面白い話をしませんか?」
総監「ん?面白い話?」
ニュートン「まぁちょっとした雑談です。例えば..この施設の者の裏話とか。政宗のやらかし,クロムウェルの恥ずかしい過去,ジャンヌの二面性など 。どうです?」
ジャンヌの二面性は気になる。折角の機会だ。聞いてみる。
総監「じゃあジャンヌについて聞きたいな。」
ニュートン「分かりました。ジャンヌが二重人格な事はご存知だと思います。それで彼女がもう一つの人格になった時がまぁ...」
総監「どんな感じ?」
ニュートン「簡単に言うと凶悪。乱暴。罵詈雑言の嵐。他者や敵に向かっての暴言がそれはそれは酷い物です。普通の人じゃ思い付かない程の暴言が出ますね。」
総監「凄いね...その人格のジャンヌはどんな事を?」
ニュートン「主に残虐性が強くなります。敵を見つけたら相手は機械兵器なので痛みが無い。なので容赦無く踏み潰したり燃やしたり。」
総監「残虐性が強いってどんな感じで?」
ニュートン「ジャンヌは基本高笑いしながら壊します。それはもう乙女とはかけ離れた笑い方を。」
何となくヤバい事は伝わった。
ニュートン「一応主人格のジャンヌも話しましょうか。主人格の彼女は清楚で可憐。皆の事を大事に扱ってくれて優しいです。好きな物は甘い物。苦手な物は火です。」
総監「火が苦手なの?」
ニュートン「彼女曰く 何となく前世で火刑にされた気がするから火は嫌いとの事です。」
そしてジャンヌについて聞いていくうちに段々だが性格が掴めてきた気がする。
総監「ありがとう。ニュートン。」
ニュートン「いえ。お力になれて何よりです。」
ニュートンは礼をした後 部屋に出ていった。話を聞いたからには ジャンヌと話したくなった。どうやら甘い物が好きらしい。そして施設内の売店に行ってショートケーキを買ってきた。ケーキを準備してジャンヌのいる部屋に向かう。
総監「ジャンヌ。少しいいかな?」
ジャンヌ「総監?どうぞ。」
そして中に入るとジャンヌは椅子に座って本を読んでいた。
ジャンヌ「総監..どうかなさいましたか?」
総監「少しジャンヌと話したくなって。あとこれ..ジャンヌに...」
彼女にショートケーキを見せる。すると椅子から飛び上がった。
ジャンヌ「わっ..!?ショートケーキですか!?食べたいです!ありがとうございます!!」
彼女にショートケーキを差し出す。すると彼女は嬉しそうな顔になり、ショートケーキを食べ始めた。
ジャンヌ「美味しいです..!ん~っ!総監!ありがとうございます!」
幸せそうな彼女を見てると癒される。本当に二面性があるのか疑う程癒される。すると総務から司令が入った。
『近くで再び襲撃だ。ジャンヌと向かってくれ。』
偶然ジャンヌと一緒に現場に行ける事になった。二人で走って現場へ向かう。するとそこに居たのは巨大な鳥形の機械兵器だった。
ジャンヌ「おぉ~....大きな鳥さんですねぇ...」
ジャンヌは武器を構えた。
総監「行こう。ジャンヌ!」
その言葉を聞いた瞬間にジャンヌの雰囲気が変わった。
ジャンヌ「ひひっ..行きますよ!総監!」
こうして戦いが始まった。ジャンヌは突進して行く。
ジャンヌ「図体がデカイだけ!!」
ジャンヌは容赦なく攻撃する。鳥形の機械兵器も反撃してくるが ジャンヌは片翼を斬り落とした。すると機械兵器は光線を放った。ジャンヌはそれを受け切るが 効いてる様子が無い。
総監「引け!ジャンヌ!」
だがジャンヌは聞く耳を持たない。そして機械兵器の頭部に飛び掛かった時。
ジャンヌ「お前なんか■■■で■■■■■■で■■■の■■なんだよ!この出来損ないのメカ鶏が!!」
と言い放ち 機械兵器の頭部を槍で突き刺した。そして機械兵器は電流と共に崩れ落ちた。
総監 ((あれがジャンヌの二面性か...。とんでもない罵倒だな..。))
ジャンヌ「雑魚。」
そう言ってジャンヌは機械兵器を投げ捨てると 次の瞬間には首をもぎ取っていた。そしてグシャリと音を立てながらヒールで頭を潰した。
総監「わ...わぁ...ジャンヌ?」
ジャンヌ「はっ!」
ジャンヌは踞る。
ジャンヌ「総監...私..やっぱり二面性出ちゃいました..?あぁ...また...!」
とジャンヌは泣き出してしまった。そのジャンヌを見て 彼女の苦悩が伺える。
総監「大丈夫だよ。ジャンヌ。君は悪くない。」
そう言って優しく抱き締めてしまった。
ジャンヌ「へっ..?総監...?」
総監「あっ!ごめん!つい!」
そう言い ジャンヌを離す。
ジャンヌ「総監...もう少しだけ...抱き締めてもらっていいですか..?何だか...その...誰かに必要とされるって...安心出来る...から...お願いします...」
とジャンヌは涙を流しながら訴えかける。
総監「分かったよ。」
ジャンヌ「総監...ありがとうございます...。本当に...救世主の様です...。」
総監「ありがとう。じゃあ...帰ろうか。ジャンヌ。」
ジャンヌ「はい..!総監..!」
二人で一緒に本部に戻る。その後ジャンヌは泣き疲れて眠ってしまった様なので そっとしておく。そして部屋に戻ると総監から通信が来た。
『ご苦労だった。あの原因不明の機械兵器についてだが あれについて正体が判明された。』
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