規格外魔女は愛弟子達と共に旅をするようです〜なお、その愛弟子達も最強だった模様〜
@marumarumarumori
そうだ、旅に出よう
前世の私は、とにかく病弱だった。
なので、死ぬ際に私はこう願った。
生まれ変わる時は、健康的で強い体が欲しい......と。
その結果、私は孤児のリリィという少女に転生し、第二の人生を始めることになった。
しかし、ここまで良かったんだけど.....怪我を負ってもすぐに治る上に、10年、20年経ってもなお、年を取らないという、トンデモ体質であることが発覚。
それが原因で、私は孤児院から追い出された。
まぁ、あそこの孤児院の大人達は、そんなに良い人間じゃなかったし、仕方ないか。
と、そんなことがあったからか、私は各地を転々とした末に、ある森の奥深くで暮らすことにした。
もちろん、家も畑も自分で作ったよ。
ただ......一人で過ごしていると、どうしても暇な時間が出来てしまうので、魔法を極めることにした。
前世の私の暮らしていた世界は、魔法が存在しない世界だったので、私が魔法の虜になったのは、言うまでもない。
んで、魔法の研究を始めてから約30年後、私は魔法の全てを極めた。
属性魔法も、特殊魔法も、何もかも。
その結果、また暇になってしまったので、次は剣術を極めることにした。
それから約50年後......色んな技を試したところ、今度は剣術の全てを極めてしまったので、様々なことを試してみた。
不老不死になったんだから、何でも出来るはず!!
そんな思いから、加工系やら、武術系やらを極めた。
そんな日々を過ごしていた時.......森の中で、1人の赤ちゃんを拾った。
多分、口減しで捨てたんだろうな。
赤ちゃんを見ながら、そう思っていた時.......私は、あることを思いついた。
そうだ、弟子を育てようと。
そんなわけで、私はその赤ちゃんを、アレスを育てることにした。
アレスは、元気いっぱいなのに加えて、剣の才能があったらしく.......私は、アレスに剣の全てを叩き込んだ。
ぶっちゃけ言えば、子育ては初めてだったけど.....それでも、楽しかった。
とまぁ、私がやりがいを感じ始めていた時、森の中で、また赤ちゃんが捨てられていた。
......Why?Why?
何で私の住んでる森に捨てるのさ。
と、心の中でツッコミつつ、私はその赤ちゃんを拾った。
二人目の赤ちゃん.....クロは、魔法の才能があったので、今度は魔法の全てを叩き込んだ。
ヤンチャなアレスに対して、クロは真面目な性格で、あっという間に魔法の使い方を覚えた。
男の子二人を育てるのはキツイけど、何だか楽しいな。
そう思っていたら、今度は女の子の赤ちゃんが捨てられていた。
どうしてみんな揃って、私の住んでる森に赤ちゃんを捨てるのさ!!
ていうか、人の心はないの!!
赤ちゃんを見つめながら、そう憤慨した私は、その怒りをエネルギーに、三人目の赤ちゃんを育てた。
三人目の赤ちゃん....もとい、ライラは、浄化魔法や回復魔法などの、特殊魔法の才能があったので、ライラには、特殊魔法の全てを叩き込んだ。
そんなこんなで、アレス・クロ・ライラはスクスクと成長し.....アレスが18歳、クロが16歳、ライラが13歳になる頃、私は、あることを思い付いた。
そうだ、この子達に外の世界を見させるついでに、旅に出よう.....と。
そう思い立った私は、アレス達にそのことを伝えることにした。
その結果
「森の外!!行く行く!!」
「僕も行ってみたいです」
「私も行きたい!!」
案の定、ノリノリになっていた。
「いや君達、ノリ軽くない?」
「だって、森の外に行けるんだよ!!興奮せずにはいられないって!!」
「ですね」
「森の外って、どんな感じなのかな?」
うん、この様子なら、大丈夫そうだね。
「で、いつ出発するんだ?」
「明日だよ」
「やったぁ!!」
このポジティブさ......見習いたいなぁ。
「.......」
「クロ?どうかしたの?」
「.....先生に何かあったら、僕が守ります」
oh......何で良い子なんだ!!
「そんなことを言うようになるなんて......師匠は嬉しいぞ!!」
そう言った後、クロに抱きつく私。
その瞬間、クロは少しだけ微笑むのだった。
「あ!!ズルい!!俺もハグする!!」
「私も〜」
私が、クロにハグしたのに対し、嫉妬したのか......そう言うと、私に抱きつくアレスとライラ。
くぅ!!可愛い!!
「.......お師匠様?」
「あ、いや、何でもない」
ライラの言葉に対し、そう言う私。
「アレス、ライラ、もうそろそろハグをやめたらどうですか?」
「何で?」
「何でもです」
「えぇ〜」
きっと、みんな私を独占したいんだろうなぁ.....
ま、それはそれで良いけどね。
「と言うわけで、今日は寝る前に明日の準備をしておいてね」
私がそう言うと、三人はコクリと頷いた後
「了解!!」
「分かりました」
「何を持って行こうかな〜?」
ワクワクとした様子で、そう言った。
.......何だか、遠足の前日みたいな感じがする。
そう思いながら、旅立ちの準備をする私達なのだった。
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