24店目「大地の精霊の祝福を受けた料理」

こんにちは、気に入ったものが見つかればとことん突き詰めるトラ顔紳士です!

本日はドワーフの友人に紹介されたお店にやって来ました。


ウメーディの中央街から路地を通ること二十分くらい。

やって来たのは石造りの家々が立ち並ぶ、集落のようなエリアです。

街を歩く人達の多くは、長い髭と逞しい腕が特徴の小柄の男性たち。

街の至る所から、金属を打ち付ける音が鳴り響いていますね。

どうやらここはドワーフたちの集落のようです。

このエリアで「大地の精霊の祝福を受けた料理」が食べられるそうなんです。


やって来たお店は、石を重ねて造ったような簡素な外観。

ただ、よく見て見ると石の大きさは均一で、しっかり造り込んでいるのが分かります。


木製の扉を開けると中は思ったよりも広く、天井も高いです。

剥き出しの梁からは木枠に紙を貼って蝋燭を入れた照明器具が、いくつも吊り下がっています。

カウンター席の他にはテーブル席が四台。

それぞれの席に燭台も用意されているので、店内は意外なほど明るいですね。


マスターも立派な顎髭を生やしたドワーフのようです。

料理人とは思えないほどの太い腕には、いくつも大きな傷痕が残っています。


お客さんは僕の他にお客さんはニ組。

エールを片手に大声で談笑していますね。


おっ、早速料理が出てきました。

大きな皿にこんもり乗った巨大な鳥の足。

と言ってももも肉ではありません。

鳥のスネから爪先の部分をぶつ切りにして味付けしたものが、大皿の上に所狭しと盛り付けられているんです。


【アースミューの爪先炒め】六本二銀貨


どうやらこの料理が大地の精霊の祝福を受けた料理らしいです。

料理の素材であるアースミユーは、鳥類の一種ですが飛ぶことができず、陸上で生活しています。

普段は大人しく温厚で、単独で暮らし、草花や小動物を摂取しています。

しかし、一反外敵に襲われると、自分よりも大きく獰猛な魔獣にも果敢に立ち向かいます。

その誇り高い姿がドワーフ達にとって、尊く映るのかもしれません。


アースミユーを使った料理は、ドワーフの神事にも使われる伝統的なもので、かつては相手をもてなす場面でよく出されていたようです。


味わいは料理法によって大きく異なりますが、脂身が多く、肉の部分よりも甘みと旨味が強いようですね。


どんな調理法にもマッチし、食べごたえのある食材ですが、その特徴的な見た目からドワーフ以外には敬遠されがち。

他の種族では食べる者はほとんどいないようです。


今も他のお客さんが、僕がこの料理にどんな反応をするか見ています。

あっ、どうやら賭け事まで始めましたよ笑

店主も含め全員から注目されているのを感じますね。


もちろん僕は、この手の料理に全く抵抗がありません。

これは豪快に手に取って食べたほうが良いでしょう。


手に取ったアースミューの足は結構重い。

オリエンタルなスパイスの香りが、食欲を誘いますね。


サクッ


思ったよりも軽い食感。

どうやら炒める前に軽く素揚げしてあるようです。

噛みしめるとジュワーッと広がる肉の旨味と脂の甘み。

絡めたタレが淡白な軟骨に、豊かな香りとコクを与えてくれているようです!

この食欲を増進させる独特の香りは、僕の故郷ではターメリックと呼んでいるスパイスでしょう。

薬膳効果もあるスパイスで、ウメーディでも今流行りの【カレーライス】という料理にも用いられていますよ。


これは美味しいです!

六本も頼んだのですが、すぐに食べてしまいそうですね。


僕の食べっぷりを見た他のお客さんたちが、エールを持って集まってきました。

みんな白いヒゲに茶色のしみが付いています。


そうそう、この料理を食べる時には口元にご注意!

タレが口元にたっぷり付いてしまいますよ!


結局お客さん達と夜遅くまで飲み明かしてしまいました。


ごちそうさまでした。


店名:ドワーフ家庭料理「アーススピリット」

予算:三〜五銀貨

店の雰囲気 ★★★★☆

店員の対応 ★★★★☆

料理の味  ★★★★★

コスパ   ★★★★☆

バラエティ ★★★★☆


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