21店目「インパクト抜群のクラーケン料理」

21店目「インパクト抜群のクラーケン料理」


こんばんは、仮面の下ではいつも笑顔のトラ顔紳士です!

本日は内陸のウメーディでは珍しい魚介料理中心のお店に行って来ます!


新鮮な魚介料理は海の近くでしか食べられないって思っているあなたに朗報です!


実は今から行く漁師酒場「ポセイドン」は、なんと鮮度の良い海の幸がたっぷりと食べれるお店!

出される料理はまるで、今まで生きていたような新鮮さ!

その美味しさは、漁師町で出される料理に匹敵しますね!


その秘密は店主の持っているマジックバッグ。

なんと捕れたばかりの魚介類を、新鮮な状態で大量に持ち運び出来るのです。

残念ながら生きた魚達は収納することは出来ないのですが、そこは店主の活け締めの技術。

捕れた瞬間から完璧な血抜きを行ってくれるので、最高の状態で輸送することが出来るんです。


残念ながら開店して間もないので、あまり知られてはいないようです。

ただ、口コミでジワジワ人気が出始めているようですね。


あっ、見えてきました。煉瓦造りの小さなお店が今回の目的地【ポセイドン】です!

お店の近くに寄るだけで磯の香りが漂って来ますね。

これは期待が出来そうです!


扉を開けると大音量の笑い声が飛び込んできました!

すでに席は満席ですが、僕の仲間たちが席を確保してくれてましたよ。


お店はカウンター席が四席とテーブル席が4台ほどのこじんまりとした造りです。

お洒落な装飾などは一切なく、ランタンや燭台が置いているくらいですね。


カウンターには少し禿げ上がった大柄の店主が一人。

接客と調理を同時に行っているので、常に忙しそうに動いています。


仲間たちとエールで乾杯した後は、早速一品目の料理が出されました。


エメラルドグリーンのカラーが眩しいシャバという魚の塩焼き(五銅貨)です。


シャバは近隣の海で漁獲される有名な魚ですが、腐りやすく保存には不向きです。

そのため、港町でしか食べれない魚ですが、店主のマジックバッグの御陰で海から離れた、ウメーディの街でも食べられるようになったのです。


シャバ自体は塩のみの味付けですが、脂のノリがよく、濃厚で食べごたえがありますね。

皮ぎしの焦げた部分も香ばしくて美味しいです。

よく魚の皮は食べるのがという話になりますが、僕は断然食べる派!

バリバリとした食感と周りについた脂の甘みがたまらないですね!


次の料理はラムダ魚の塩漬け(八銅貨)です。

ラムダ魚はウメーディから馬車で三日間ほど南下したところにある、ゼンナン港で漁獲される体長50センチほどの回遊魚です。


銀色に輝く細長い魚で、焼き物や酢漬けなど様々な料理に利用される港町ではポピュラーな魚ですね。  


今回はそのラムダ魚を薄造りにしたものを、香味野菜にまぶして食べるという料理です。


火は一切使ってないので、ラムダ魚そのものの味わいと食感が楽しめます。

少し塩辛く味付けしてあるので、エールはもちろん、果実酒やニホンシュなど様々なお酒にも合いますね。


一切れ食べたらエールをグイッ、また一口食べてエールを飲むので、ついつい飲みすぎてしまいそうになります。


最後に出された料理は、なんとクラーケンのげそ焼き!

机の半分を占める大皿に乗せて提供されました。


クラーケンは全長五十メートル以上はあるとされる海上では最大級の魔獣です。

大型船を簡単に捻り潰す膂力と、底しれない耐久力を持つとされ、海の悪魔とも呼ばれています。 

海で遭遇するとまず助からないとされているクラーケンが、料理として目の前に出されているんです!


何でも一冒険者が討伐したクラーケンを解体し、その余りを店主に委ねたそうです。

この極レアのクラーケンの料理を、太っ腹にも無料で提供してくれました!

ただし、この日だけの特別サービス。

普段行っても食べられないので悪しからず……。


クラーケンのげそ焼きは一人前でも顔が隠れるほどの大きさ。

その存在感は半端ないですね!


身はプリプリで噛めば噛むほど、旨味が滝のように押し寄せて来ます!


しっかりとした甘みと、フワッと鼻腔を突きつける磯の香りも食欲を増進させてくれます。

味付けの魚醤も心地よいアクセント。

お酒を飲めとの店主のメッセージが伝わって来ますね!


もちろんエールとの相性も抜群!

貴重な体験をさせてもらいました!


ごちそうさまでした!



店名:漁師酒場「ポセイドン」

予算:三銀貨~四銀貨

店の雰囲気 ★★★☆☆

店員の対応 ★★★★☆

料理の味  ★★★★★

コスパ   ★★★★★

バラエティ ★★★★☆

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