13店目「コップの置けない居酒屋さん」
こんばんは、居酒屋ではとりあえずエールを頼むトラ顔紳士です!
本日はウメーディでも指折りの人気居酒屋「カムシャロン」にお邪魔しました。
白塗りのレンガ造りのお店で、いつもたくさんのお客さんでにぎわっています。
異国情緒溢れる内装で、民族衣装のようなものがいくつも飾られていますね。
こじんまりとした広さの店内には机や椅子がなく、お客さんはドラム缶のような炉を囲んで立って食事をしているようです。
そう、この店はウメーディでも数少ない、立ち飲み専門の居酒屋なんです。
お客さんが囲んでいる炉には鉄板が乗っており、どうやらこの上で具材を焼いて食べるスタイルのようです。
お皿やコップを置くところがないので皿は用いず、コップは飲み終わるまで手に持ったままだそうです。
しっかり味付けされた具材を鉄板で焼き、焼き上がったらタレなどつけずに直接口に入れる。
喉が渇いたらエールで潤す。
つまり両手は常にふさがったまま。
豪快に食べて豪快に飲む。
というのが、お店のコンセプトとのことです。
確かに人気の出そうなワイルドさ加減ですね!
具材は単品でも購入できますが、セット購入がお得。
たっぷりの野菜と肉。絡めるタレがついて一人前一銀貨+五銀貨となっています。
この店の飲み物はエールが中心。
他の飲み物も置いてはいますが、注文する人はほとんどいないそうです。
実はこの店のエールコップだけでなく、エールまでキンキンに冷やしてあるようです。
トウバランという辛い香辛料を使ったこの店の料理には、冷たく冷やしたエールがマッチします!
女性の給仕さんに注文を伝えると、彼女はこくんと頷いた後、僕らの炉に手をかざしました。
「火の聖霊よ、我にその一部をお貸しください。ファイア!」
彼女が詠唱を終えると、炉に真っ赤な炎が現れました!
これは面白い!
この店では、店員さんが魔法で炉に火をつけてくれるようです。
パチパチと音を立てながら、鉄板から白い煙のようなものが立ち昇りました。
しばらくするとさっきの女性給仕さんがやって来ました。
彼女は大きなプレートに一杯の肉と野菜、器には黒っぽいソースのようなものが入っています。
彼女は野菜と肉を豪快に炉になだれ落とし、上からたっぷりのタレを注ぎます。
ジュゥゥゥ!
具材の焼ける音とタレの焦げる音が、香ばしい香りと共に辺り一面に広がります。
独特の香辛料の香りが僕のお腹をこれでもかと刺激しますね。
実はこの店、フォーク以外にもお箸も用意してくれています。
鉄板から焼けた具材を取る場合、フォークよりもお箸の方が食べやすいですね。
慣れれば簡単なので、お箸の使い方も覚えておくと便利です。
そうこうしているうちに、具材に十分火が通りましたね。
野菜はタマーニャ、ニリャ、キャロッポにキャベジッシュ、キノコ類もいくつか入っています。
黒っぽいタレと肉汁を吸った野菜はテカテカと光り、見るからに美味しそうですね。
早速野菜から食べてみましょう。
ピリ辛のタレをしっかり吸った野菜は、優しい甘みと濃厚なコクが絶妙です!
どの野菜も歯ごたえ抜群。シャクシャクと、小気味の良い食感を楽しめますね。
それでは肉も食べてみましょう。
熱っ!
用意されたお肉は十分な厚みがあり、噛むと中から甘い肉汁が飛び出してきました。
脂の甘みの次に広がるのは、ピリ辛香辛料のトウバランの辛み。
辛みに続いて旨味や酸味、苦みまで口中に広がり、まるで味わいのオーケストラ。
肉自体の旨味をこのタレが何倍にも膨らませているような気がします。
さらに焦げたタレの香ばしさも加わって、より複雑な味わいへと変化します。
肉自体も旨味が濃く、食べごたえバッチリ。
クセもなく臭みも全くないので、タレガなくてもかなり美味しいお肉では無いでしょうか。
ふと疑問に思ったのが、この肉は一体何の肉かということ。
店員に聞いてみると、「それは企業秘密」だと教えてはくれなかったです……。
一体何の肉かは気になるところですが、想像して楽しんでおきましょう。
ピリ辛の肉を食べた後は、エールで喉の渇きを潤す。
野菜を食べて、またエールを流し込む。
エールも料理も止まらなくなる美味しさ!
たっぷりと堪能しました!
ごちそうさまでした。
店名:立ち飲み居酒屋「カムシャロン」
予算:五銀貨
店の雰囲気 ★★★☆☆
店員の対応 ★★★★☆
料理の味 ★★★★★
コスパ ★★★★★
バラエティ ★★★★☆
総合評価 ★★★★☆
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