エピローグ【記憶を上書きしていくために】への応援コメント
拝読いたしました。
プロローグから最終章「七月七日夜七時」に至るまで、一つの生命が終わり、残された者が“記憶”という見えない鎖を抱えて歩くまでの道程を、これほど精密に、そして人間的に描き切った作品は稀有です。
記憶を消す技術というSF的な題材を軸にしながら、物語の中心にあるのはあくまで“赦しと再生”。葉子の遺書に刻まれた真実、柚乃の過去、薫の葛藤、それぞれの断片が最後に静かに一つへと収束していく構成にはかなり骨太な骨格を感じました。
物語の随所で繰り返される「忘却と記憶」「痛みと癒し」というテーマは、登場人物たちの生き様を通して、深く問いかけてきます。
記憶を消すことが幸福なのか、それとも痛みを抱えて生きることこそ人間なのか――その二項対立を超えて「上書きしていく」という結末に至るラストの清々しさには、美しいというほかありません。
一連の伏線を丁寧に回収しつつ、科学・愛・罪・赦しがすべて「生きる」という一点に収束していく構成力、そして最後に差す春の日差しの比喩――どれもお見事です。
人間の心の複雑さと、再生への祈りをここまで誠実に描いた筆致に、ただ敬意を。まさに「痛みを抱いて前に進むことの尊さ」を描いた傑作でした。
作者からの返信
それがとても辛くて、痛みをともなう記憶だったとして、記憶を消してしまうのが幸せなのか? それとも、記憶を抱えたまま、前を向くのが正解なのか? ということを、薫や柚乃といったそれぞれの登場人物の向き合い方を通じて読者にうったえかけた作品でした。
自らが生み出した技術の功罪を見つめ、自分なりの答えを残した葉子の強さが最後まで薫を支え、進むべき道を示したのだと思っています。
テーマを明白に読み取っていただきまして、また、最後までこの物語に触れてくださったことに最大級の感謝を。
ありがとうございました。
第二話【記憶の中の記憶(3)】への応援コメント
うわあ、人死にが出てしまったか。
これからどうなるんでしょうか。
作者からの返信
これもとっても大きな意味を持つ情報です。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。続きも読んでいただけますと、とても嬉しいです。
第二話【記憶の中の記憶(1)】への応援コメント
しれっと英語喋るんですね。
作者からの返信
英語を話せることを披露したこの場面は、脱稿したあとで加筆した部分でした。
つまり必要な描写のひとつなのですが、まあ……すごくわかりにくいアレだからなあ……苦笑。
第一話【消した記憶。消えない痛み(2)】への応援コメント
ツイッターから来ました。
記憶のない女の子、気になりますね。
作者からの返信
なぜ、彼女は記憶がないのか……? がこの作品の大きな謎のひとつです。コメントありがとうございます。
第一話【消した記憶。消えない痛み(2)】への応援コメント
柚乃さんが、記憶を無くしてしまって覚えている記憶がこれだけ、ということも、葉子さんに似ているのもきになりますね。
記憶の消去……奥が深いです
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そのあたりは、作品の根底にかかわってくる情報のひとつであったりはします。
第二話【記憶の中の記憶(2)】への応援コメント
ここまで読ませて頂いた感想ですが。地の文がすごく面白い。魅力的です。会話もですが。文章を読むのがすごく楽しい。情報は勿論多い。けれど渋滞もしていない。小説として魅力や旨味かあります。完結まで追いかけたい作品です。読むのが遅いのですが。素晴らしい作家さんと作品。そう確信しました🍀
作者からの返信
会話文もですが、地の文でユーモアを出していけたらなあ、と思っているのでそう言っていただけると嬉しいです。いろいろ謎は増えていきますが、適度に回収しながら最後にきちんと全てが落ちます。期待していただけますと、幸いです。
編集済
第二話【記憶の中の記憶(1)】への応援コメント
前話を読んでから時間が経ってしまいました。私の記憶が不安です。一気に読める時間があればと。内容がとても気になって折りました。主人公の夢と少女の因果関係。やはり消去してもバックアップは残るシステム。二人の事態に対する温度差。これは年齢や性格もあるとしても。そして最後…気になることばかりです。すごく面白いです🍀
作者からの返信
記憶消去方のシステムとか、主人公が見る夢とか、諸々が物語のキーとなっていきます。いろいろと考えながら読んでいただけますと幸いです。(感想、ありがとうございます。)
第一話【消した記憶。消えない痛み(2)】への応援コメント
許してくれよ、葉子。決して他意はないんだ。そう、決して。
葉子(幽霊)「ほーん」
作者からの返信
すごい優柔不断な男みたいじゃないですか……!
まあ、じゃっかんそういうムーブはするかも苦笑。
感想、ありがとうございます。
いや、感想かな、これ……?w
編集済
第一話【消した記憶。消えない痛み(2)】への応援コメント
記憶を一部消去した彼と。全消去(かどうかは判りませんが)葉子に似ている。彼の名前だけ覚えている。歪で不揃いな数珠のようですが。二人を繋ぐのはやはり葉子なのですね。また読みに伺います🍀
作者からの返信
薫×柚乃が本作におけるメインの登場人物ですが、筧葉子が物語のキーキャラクターとしてたびたび存在感を放ちます。
また足を運んでいただけますと幸いです。
第一話【消した記憶。消えない痛み(1)】への応援コメント
人の記憶をもて遊ぶような行為と。忘れたい記憶にもて遊ばれるように生きるのと。天秤が揺れます。もしも実用化されたなら。政治家の人は喜んで使うかも。葉子の自殺も存在も消してはいない。では…ストーリーテーリングの巧さをここでも感じます🍀
作者からの返信
政治家に都合の悪い記憶だけ消されたのではたまりませんね苦笑。
こういった悪用を防ぐための対策は一応されているよ、というのはのちに触れます。
感想、ありがとうございました。
編集済
イントロダクションへの応援コメント
彼女自身が…なるほどです🍀しかし…が次話へと繋がります🍀
作者からの返信
葉子が「記憶消去方」の開発に携わっていた云々はのちほど深堀りしていきます。
ここでは軽く経緯だけ、ですね。
プロローグ【七月七日夜七時】への応援コメント
幸せな恋人たちの出会いから一転。主人公にとっては忘れらない日の。忘れたくてもけして消せない記憶となりましたが。続きが気にならないはすがなく…また読みに伺います🍀
作者からの返信
物語を俯瞰したとき、事件の発端として切り取る場面はここしかなかったものでして。
メインヒロインの一人でありながら、即死んでしまいますが(苦笑)、セオリー通りの「冒頭で死体を転がせ」、です。
エピローグ【記憶を上書きしていくために】への応援コメント
Xでの企画参加、ありがとうございました。
辛い記憶を消してしまえば、思考の面では思い出すことはなくなるでしょう。しかし、培ってきた経験や起こった事象は変わることなく世の中は進む。その時に辛かった過去を知らぬままでは成長も振り返りもできません。辛い記憶を無くすことだけが是ではないと作中から感じました。
同時に辛く苦しい記憶を持ったまま生き続けるのも自殺といった最後を迎える人が多いことで是と言えない。
結局は過去の自分を考え、見つめ直して未来を見ることが大切だとこの作品で感じました。
浅野の犯行動機も過去のつらい経験ばかりに囚われた結果でしたしね。
面白い作品に出会わせていただきありがとうございました!
作者からの返信
薫くんも、柚乃も、自分の大切(だった)人しか見えていなかったのですが、記憶を消すことの是非を考えていくうちに、視野が広くなって成長したんじゃないかなと、そう思います。
似たような痛みを抱えていた二人だからこそ、これから先は、支え合っていけるんじゃないかなと。
読了していただきまして、ありがとうございます(*´∀`*)