ナナちゃんが呼んでいる

青嶋幻

プロローグ 

 メイの元へ、突然学校へ来なくなってしまったナナちゃんから、電話があった。

 静岡市清水区にある御穂神社へ来てほしいということだった。


 メイにとってナナちゃんはいちばんの友達。

 だから御穂神社に来た。


ちゃんちゃんは電話で神の道を海に向かって歩いてきてと指示した。その先にナナちゃんが住んでいる家があるという。メイは言われたとおり、歩いて行った。


 ところが砂浜に出てもナナちゃんの家は見えてこない。

 不思議に思っていると、海の中からナナちゃんと、ナナちゃんのお父さんとお母さんが現れた。


 ナナちゃんが住んでいたのは、海の彼方にある常世の国。

「常世の国は死者の国。死んだ人しか行けないの」


 濡れそぼったナナちゃんが、青白い笑みを浮かべながら近づいてくる。

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