学園の完璧美人が幼馴染の前でだけ甘えん坊になる話

キタカワ。

プロローグ

 榎下えのした零華れいか


 高校2年生。

 16歳。


 文武両道。

 または才色兼備。

 そんな言葉が似合う、明るく優しく、そして美しい少女だ。


 運動神経は抜群で、スポーツをさせれば躍動感あふれるプレーで相手を圧倒。

 それでいて勝負が終われば相手をねぎらい、味方に感謝し、にこやかに笑顔を振りまく。

 

 テストを受ければ毎回満点……とはいかないものの、県一の進学校で常に学年上位に居座るのだから凄い。


 笑顔が似合う非常に整った顔立ちで、スレンダーなスタイルも見る人を惹きつける。


 そんな彼女がモテないはずはなく。


 バレンタインには男女問わずみんなが彼女にチョコをあげるため、同級生の男子たちはチョコをもらえないだとか。


 1日に5人から告白されたことがあるだとか。


 彼女にいいところをみせようと男子たちが頑張った結果、全国テストのクラス平均点が難関私立並みになっただとか。


 彼女を知らない人が聞けば誇張しているとしか思えないほどの、もはや伝説的なモテかたをしており。


 誰がつけたのか。

 それは分からない。


 しかしいつからか、彼女には一つの異名が付くこととなった。


 ……そう、完璧美人。


 これはそんな異名を持つ少女と、その幼馴染の少年の甘い物語である。

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