貴方を想い
蓬 佑文
あなたを想い
私は幼い頃から、あなたを見てきました。
あなたは頭が良く、周りの人よりも優れていて素敵でした。 憧れでした。
そして、片思いでした。
大人になって彼とは手紙を交換し合った。
あなたに手紙を渡すと必ず返事が返ってきます。時には、私には難しい漢字は読めないと思い込み、平仮名を書いてくれました。
そんなあなたが好きです。
あなたに特別なあだ名をもらい、私は幸せ者でした。
しばらく手紙を返せませんでした。
返せなかったが、あなたは何度も送ってくれた。読むと心配している等の事が書いてあった。嬉しかった。
やっぱり私はあなたが好きです。
気持ちを伝えられないまま、時は進んだ。
あなたはとても素敵な人と結婚していた。
子供は二人、幸せそうだ。
早く想いを伝えればよかった。
考えると心臓がキュッと苦しくなる。
こんなにも好きだったんだなと思う。
あなたは私の事をどう思っていたのですか?
拝啓 あなたへ
お久しぶりです。お元気でしょうか?
この度は、結婚おめでとうございます。
お二人で素敵な家族を築いてくださいな
良い父になるよう陰ながら応援しております。
そして、家族をお守りするんですよ。
辛いことがあったら折れずに強く生きてください。嫁さんよりも先に逝かないようにですよ。何かあれば相談乗ります。
また早いお返事待っております。
・・・・
三年という時が経ち、
あなたは私宛の一つの手紙を残して自らこの世を去った。
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