おねえさんといっしょ!

すみはし

とっても簡単な呪い方入門

①ごあいさつ

「さぁ、ウサ吉くん! なんでもやってみようのコーナーだよ!」

「わぁい、おねえさん! きょうはにをするのかな?」

「今日は一緒に【呪い】をやってみようね!」

「【のろい】ってなぁに?」

「えーっと、『人または霊が、物理的手段によらず精神的あるいは霊的な手段で、悪意をもって他の人や社会全般に対し災厄や不幸をもたらさしめんとする行為』だよ! (by Weblio辞書)」

「ふぅん、なんだかとってもむずかしそうだなぁ」

「そんなことないよ! 今回はとーっても簡単な【呪い】の手順を説明するからね〜」

「やったね! ぼくもいつもいじめてくるクマオくんをのろえるかなぁ」

「おねえさんのいう通りにやってみよう!」


②のろいのじゅんび

「今回は簡単呪い入門だから本格的なものにはやっぱり及ばないんだけど、大事なのは呪いたい気持ちだからね!」

「うん、わかったよおねえさん! ぼくクマオくんだーいきらいなんだ」

「じゃあまずはクマ男くんの写ったいらないお写真はあるかな〜?」

「えーっと、みんなで撮った写真ならあるんだけど…」

「じゃあ今回はこれと、じゃじゃーん! こっそり用意しておいたクマのぬいぐるみを使います!」

「おねえさんすごーい! よういしゅうとうだね!」

「さっきのお写真のクマオくんのお顔のところをこのクギでたくさんひっかけるかな〜?」

「はーい!」

ギギギギギ

「しね、しんじゃえ! クマオくんなんてだいきらいだ! ぼくのだいすきなうさみちゃんとてをつないで! しね!」

「はぁい、ウサ吉くん、よくできました!」


「次はこのくまさんのぬいぐるみのお腹を裂いて、くまおくんの毛を入れちゃおうね〜!」

「おねえさん、ぼくくまおくんのけなんてもってないよ〜」

「大丈夫! そう思っておねえさんが用意しておきました!」

「わぁ! ちゃいろいけがたくさん! おねえさんすごーい!」

「ふふーん、そうでしょ! それではくまおくんの毛をお腹の中に入れて、どうすると思うかな〜?」

「わかった! おなかをちくちくぬっちゃうんだ!」

「大正解〜! ウサ吉くん、100点だよ! 上手に縫えるかな〜?」

「まかせてよ! ぼくがっこうのかていかでやったことあるんだから!」

「ウサ吉くん凄い! とってもきれいに縫えたね!」

「へへーん! どうだい!」

「じゃあ最後にさっき引っ掻いたクマオくんのお写真を張りつけて〜…引っ掻いた釘でブスっと刺しちゃおう!」

「え〜1ぽんだけなの〜?」

「あれれ〜? 1本じゃ足りないかな?」

「すくなすぎるよ〜! くぎをつかうっていってたから、ぼくおとうさんのおしごとどうぐからたくさんもってきたんだ!」

「わぁ、ウサ吉くん凄い! 用意周到だね! じゃあそれも刺しちゃおうね〜」


「はい! これで呪いの道具の完成!」

「それだけでいいの?」

「道具は出来たんだけど、今度は呪っていくよ〜!」


③のろってみよう!

「ウサ吉くん、このぬいぐるみはウサ吉くんが持っててね!」

「うえ〜、きもちわるいけどのろうならしかたないね!」

「毎日夜の12時に、このぬいぐるみに向かってクマオくんに嫌いだー!ってビームを飛ばすんだけど、できるかな?」

「うーん、ぼく9じにねちゃうからなぁ、めざましをかけてがんばるよ!」

「その調子! ここはちょっとしんどいけど頑張って!」


「うーん、うーん、クマオくんなんてきらいだー!」


④もっと!のろってみよう!

「おねえさーん! のろいがあんまりきいてるきがしないよぉ…クマオくんかぜひいちゃったくらい…」

「風邪も呪いのせいかもしれないよ! でも効いてないかぁ〜、じゃあウサ吉くん、次のステップに進んでみよう!」

「つぎのステップってなぁに?」

「ウサ吉くん今はあのぬいぐるみは持ってきてくれたかな?」

「うん! ちゃんともってきたよ!」

「じゃあそれをクマオくんの机の中に入れちゃおう! ちゃんとお手紙も入れようね」

「おてがみ? なんておてがみかけばいいかなぁ」

「クマオくんには『今君のことを呪ってるよ』ってお知らせしてあげるんだ! 呪ってる、は漢字で書いてみよう!」

「わかった! 頑張って書くね!」


「うーん、ウサ吉くん…字が下手ねぇ…でも味があっていいね! これでいこう!」

「うん!あしたいれてくる!」

「入れてからも呪う気持ちは忘れちゃダメだよ〜!」


⑤こうかはでたかな?

「さぁ、あれから1週間経ったけど、クマオくんの調子はどうかな?」

「なんかね、やっぱりびっくりしてたよ! それでね、クマオくんかいだんでころんじゃって、ぼくこっそりみてたからわらっちゃった!」

「ふふ、面白いね! クマオくん、笑い声でもっとビックリしちゃったかもしれないね」

「そうなんだ! クマオくんってばそれからどんどんキョロキョロするようになっちゃったんだ!」

「ウサ吉くん、その調子だね!」

「なんかね、しかもね、それからちょっとコケたりするだけでもびくびくするようになっちゃった! なんかふしぎ!」

「その調子でクマオくんにたまにお手紙を入れてみようね! 『おまえをまだゆるさない』って書いちゃおう!」

「まかせておねえさん!」


「クマオくん、なんだかいつもよりこわがってるみたい! キョロキョロして、うしろからこえかけただけでおどろいたりするんだ、おもしろいね」


「クマオくん、なんだかさけびながらはしっていって、くるまにひかれちゃった」


⑥おねえさんのまとめ

さぁ皆、呪いのやり方は理解出来たかな?

クマオくんへの呪いは大成功だったよね。

でもこれ、本当はもーっと簡単な方法があるんだ!


『のろいのじゅんび』で用意したもの、時間は本当は関係ありません。

大切なのは憎しみ苦しみ恨みと呪う気持ちをぶつけることが出来るものならなんでも構いません。

ここで重要なのは、相手に呪いを伝えることなので、いかにも呪いらしい見た目のものがが望ましいです。

基本的にはそのような異物を渡されれば多少は怯えるはずですが、メンタルが強すぎる人は気づかず効果を跳ね返す場合があります。

呪いの強い気持ちを相手に伝えることで、相手は呪われていると勝手に思い込むことで、小さなことでも呪いのせいだと思い始めます。

相手が呪いを信じ始めればあとは呪いを継続的にアピールすると相手は自滅してくれ、運が良ければ相手は死に至ります。


さぁ! おねえさんからは以上だよ!

なんでもやってみようのコーナーでした!

まったね〜!



※この話のウサ吉くんとクマオくんは架空のキャラクターです

※ここで解説した方法は必ずしも呪いの成果を保証するものではありません

※呪いは反転する場合がありますので実行の際は自己責任で、決しておねえさんのせいではありません


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