第14話 鮮やかな花が咲き乱れる【R−15】


 互いに照れるように恥じらいながら、いたる所にキスを落とし合った。


 指先から手首、肘の裏、わき、首筋、うなじ……耳たぶ、外耳がいじ下顎かがく、首筋——……。


「んっ、だめ……っ、そこは」


 首と肩の境目。肩甲骨よりも上の辺りに息を吹きかけられ、ゾクゾクと身体に快感が走った。一瞬で頭の中が真っ白になりそうな、激しい衝撃が襲う。

 身体を強張らせて必死に足掻いているのに、肝心の彼がやめてくれないから悶え続けていた。


「ダメ。もっと明日花さんのことが知りたいから……あの男が知らないところをもっと教えて」


 そんなことを言われても、こんな長い時間前戯をされたことがないから思考が蕩ける。キスだって、こんな濃厚なのは初めてだ。


 舌を絡ませるだけじゃなくて上顎、歯茎……口角から形に沿ってなぞるように舐められて、気持ちが良すぎて意識が飛びそう。


「キスと愛撫だけで気持ちいい。ねぇ幸山さん、もっともっと気持ち良くなりたい」

「それじゃ、もっと抱きしめ合おうっか」


 わざと煽るように耳元で囁いて。こんな意地悪な人だと思わなかった。紅潮した顔を隠すように口元を隠していると、幸山さんの手が焦らすように弄り出した。


「あっ、違……っ、そこじゃなくて」

「どこ? 指で誘導してくれないと分からないよ」


 優しい人だと思っていたのに。私は少し頬を膨らましながら、甘えるように抱き返した。




 ——そして一通りの行為を済ませた私達は、力尽きたように倒れ込んだ。

 ダメ、好きが止まらない。


「ハァ、ハァ……あァーっ、暑い! 汗が尋常じゃなく溢れてくる!」


 髪を掻き上げてこめかみの汗を拭う。

 色気が半端ない。なんて艶美なのだろう? 好き過ぎる。こんな素敵な人が私の恋人で、ずっと一緒にいられるなんて幸せで死んでしまいそう。


「ハァ……ハァっ、明日花さん……腰は痛くない? ちょっと強引にしちゃったけど」


 だ、大丈夫なんだけど、改めて言葉にされると恥ずかしさが増す。


「大丈夫……、足はちょっと、力を入れすぎたせいで力が入らないけど」


 すると壱嵩さんは私の隣に寝っ転がってヨシヨシと頭を撫でてきた。あまりにも突然の出来事に思わず耳まで真っ赤になった。


「ゴメン、体力がなくて。ちゃんとするのは初めてで、戸惑ってた。今度は明日花さんが好きなようにするよ」

「い、いや……っ、私はもう十分だから気にしないで!」

「遠慮しなくていいよ。ちょっと時間貰えば大丈夫だし」


 ニヤリと意地悪な笑みを浮かべる壱嵩さんに怯えながら後ずさったが、気付いた時にはすでに手遅れだった。


 ——……★


「………やりすぎたー(作者が)」

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