第6話 天女の羽衣
「あ。起きた?
「あ。俺」
あれは夢だったのか。
眠気眼の
今、
ぴょんぴょんぴょんぴょん。
上に下に斜め下に斜め上に横に、距離が長く離れていたり、短く離れていたりする岩から岩へと軽快に飛び移っている
決して、不思議と呼吸ができて、ほど良く温かいお湯の中に全身浸されては寝かされているわけではないのだ。
(どこからが。夢、だったのか?)
『ごめーん足滑らせちゃった近くに岩がないし、ちょっと地上に落ちるね』
仙界から地上までどれくらい距離が離れているのか。
灰色がかった白の巨大な雲群があまねく地上の景色を遮っているのでわからないが、きっと途轍もなく離れているに違いない。
それなのに、あんなにとっても軽い口調で言えるものだろうか。
否。言えるわけがない。
つまり、あの
(そうだ。よな。うん。夢、夢だよ。うん。あの恐ろしい笑い声も夢。異世界に連れてこられて疲れが出たんだな。うん。あーでも眠って、すっきりした。酔いも消え去ったし。ん?)
何だこれ?
ひらりひらり、揺れ動いている、天女の羽衣のような物が視界に入っている。
「え?何だ?これ?」
(2024.3.5)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます