第13話 じゅうににちめ!

 今回は昨年の処理水放水をきっかけとして中国が日本の水産物の輸入を停止した際にXで見かけた「ホタテ漁師は年収1000万円。それなのに親がホタテ漁師でなければなれない利権と化している。だから、輸入停止によって減収したとしても補償する必要はない」という言説に関わる話をしていこうと思うでゴザル。


 まず、「親がホタテ漁師でなければなれない利権と化している」という話についてでゴザルが、拙者はホタテ漁とは縁もゆかりもないでゴザル。求人サイトで見かけて応募したら採用されたでゴザル。このため、この部分はデタラメということもできるでゴザル。


 ただ、猿払村のホタテ漁師については正しいでゴザル。彼らは一年目でも年収1000万円という話でゴザル。このため、親がホタテ漁師なら跡を継がないという選択肢はないでゴザろう。子が跡を継ぐなら募集をかける必要はなく、新規参入は限られるでゴザろう。これを利権と言いたければ好きに言えばいいでゴザルが、それなら親の遺産の相続を放棄してからにして欲しいでゴザル。


 これに対して、稚内市、枝幸町、雄武町、興部町、紋別市、湧別町、佐呂間町、北見市、網走市などでは募集をかけていたりするでゴザル。


 利権だと言って怒るのなら、応募すれば良いと思うでゴザル。日本人の応募が少ないので外国人を入れたところもあるというので、拙者は呆れているでゴザル( ゚д゚)


 こんな話を書くきっかけになったのは、前の日から来ているベテラン補助員との朝の休憩時間の会話でゴザル。


 出港準備が終わった後は、30分ほど休憩があるでゴザル。この時に、ベテランの方が猿払村のホタテ漁の様子を撮ったYoutubeの動画を拙者に見せてくれたでゴザル。


 猿払村の大船団の様子や漁の様子が映し出されていたでゴザルが、少しだけ気になった点があったでゴザル。


 それは、猿払村では1日1隻あたりホタテを12トン獲るというところでゴザル。拙者たちは18トンなのに、どうして猿払村の方が高いのか……と思っていたら、


「船小さいだろ? これ、カニ船なんだわ。今、カニ獲ってんじゃねえかな?」


 とのこと。


 つまり、猿払村はホタテに加え、カニも獲っているからこその1000万円ということでゴザル。


 ものすごく納得したでゴザル。

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