第11話 とうかめ!

「ひ、膝があああぁぁぁ。゚(゚´Д`゚)゚。」


 3月12日の漁が終わったとき、拙者の膝が悲鳴を上げたでゴザル。


 帰港の際、ロープをかけるために船から岸へと飛び降りたのがトドメだったと思うでゴザル。


 参考のため帰港の際の段取りについて説明するでゴザル。

 港に近づいた段階で、おもてとものピンドルを降ろすでゴザル。ピンドルは両方とも右舷に取り付けるでゴザル。


 その後、右舷にくくりつけている八尺を甲板に降ろし、その後、クレーンの鉤をホタテが入ったモッコに引っかけるでゴザル。


 岸に近づいたら、表を留めるためのロープはハヤスケで岸に置いてあるロープを手繰り寄せて結び、艫を留めるためのロープは、先に飛び降りた船員に投げ、ロープを受け取った船員は、岸に設置しているリングにロープを通して船の方に返し、受け取った船員が船側に結びつけるでゴザル。


 拙者はこの飛び降りる役をやっていたでゴザルが………。着地の際のショックのせいか、ひざを痛めたでゴザル( ; ; )


 具体的には左膝の皿の左上のあたりの筋でゴザル。この筋だけが筋肉痛のすごいヤツの痛みがするでゴザルゥゥゥゥゥ! そして、膝の曲げ伸ばしで膝の皿がズレる感じがするでゴザルゥゥゥゥゥ。゚(゚´Д`゚)゚。


 これを放置すると仕事どころか歩くのもヤヴァくなると拙者の勘が言っているでゴザル!

 早速、整骨院に行くでゴザル!


 漁師にはケガがつきものでゴザル。具体的には膝、腰、肩でゴザル! このため、漁師町には腕利きの整骨院があるのでゴザル。


 という訳で向かったのはオホーツク整骨院(仮称)でゴザル。拙者、去年は週に5回ほど通っていたでゴザル。お陰で去年の漁を乗り切ったでゴザル。


 背中の激痛で身動きが取れなくなったときも、肩に激痛が走ったときも、ここで治してもらったでゴザル・:*+.\(( °ω° ))/.:+


 膝を診てもらったところ………。


「休みの間、怠けていたでしょ」


 ギクッ


「腹筋と左脚の外側の筋肉が弱くなったから、ここに負担がかかったみたいだね。で、ここの筋が炎症起こして縮んでいるから、膝の皿に影響がでるんだよ」


 怠けていた訳ではなかったでゴザルが………、漁をやっていた時の運動量に比べたらやっていないのと同じでゴザル………。


 その後は、体のバランスを整えるためのマッサージを背骨を中心にしてもらい、縮んだ筋を治してもらい、前に痛めた肩のメンテナンスをしてもらったでゴザル。


「筋力戻るまで痛むと思うけど頑張れ」


 去年もそんな感じでゴザったな……。そんなことを思いながら、治療を終えたでゴザル。


 用語解説

 ・表

 船の前方のこと


 ・艫

 船の後方のこと


 ・ピンドル

 船と岸壁がぶつかって傷まないようにするための緩衝材。第七オホーツク丸のものはバランスボールより一回り大きい球形


 ・八尺

 桁と金網、網、ドンズ(鉄柱)を組み合わせた漁具。桁についているツメで砂の中にあるホタテを掻き出し、掻き出されたホタテは網の中に入っていく


 ・ハヤスケ

 鉤爪が着いた棒

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る