第三四話 全員、アヘらせる


 彼女は確か、ファサリナだったか。


 いつも澄まし顔で、感情をほとんど面に出さない、大人の美女である。


 そんなファサリナはシャロンの痴態を目にしたうえでなお、普段の事務的な様相を崩すことなく、


「よろしくお願いいたします」


 言われる前に俯せとなり、ムッチムチな下半身をこちらへと向けてきた。


 そんな彼女の傍に寄って、早速マッサージを始めようとした、そのとき。


「エリザ様がおっしゃったように、気遣いなどは不要です」


 ひどく淡々とした声音で、ファサリナは言う。


「わたくしが肉欲に支配され、痴態を晒すことなど、ありえませんので」


 醸し出される余裕。

 自分が乱れるはずがないという、強い確信。


 だが――


「んほぉおおおおおおおおおおおおおおッ♥」


 ファサリナは、秒で落ちた。


「おッ♥ んおッ♥ おっほぉおおおおおおおおおおおおッ♥」


 普段まったく表情を変えない彼女が、今はブッサイクなアヘ顔を晒している。

 そんな現実は壁際の《戦乙女ヴァルキリー》達のみならず、会議中のエリザ達の心すらも動かしたようで。


「……せっかくですし、我々も加わってみますか?」

「何を言う。疲労でまともに頭が回らなくなっては会議の意味がなかろう。……加わるなら、終わった後だ」


 誰もが頬を赤らめ、会議そっちのけでこちらの様子を静観する。


 ――その後も、さまざまな相手が十人十色な態度で行為に臨んだのだが。


「ふんっ! さっさと済ませてよねっ!」


 ツンケンした態度のドワーフ美少女(ロリ爆乳)も、数秒後には。


「んへぇええええええええええええっ♥」


 室内に絶叫を響かせ、


「ハッ! このアタシがよがるわけがねぇ! たとえ一〇〇万年かけても不可能だね!」


 自信満々に挑戦してきた長身の獣人(ボーイッシュ美女)も、数分後には、


「んきゅうううううううううううううっ♥」


 腰をガックガクに震わせ、


「ふふんっ! アンタみたいな雑魚の手であたしが感じるわけないじゃんっ! もし負けたらアンタのこと、これからお兄ちゃんって呼んであげるっ!」


 こちらを明確に見下してきた美少女エルフ(メスガキ)も、一〇秒と耐えられず、


「負けまひたぁああああああああああああっ♥ あたひのっ、負けれしゅうううううううううううううっ♥ もっ、もう、やめひぇえええええええええええええっ♥」


 めでたくお兄ちゃん呼びが決定したのだった。


 いや、別に嬉しくもなんともないが。


「ふぅ……これで全員、か……」


 大したことをしたわけでもないが、やはり数をこなしたからか、少々疲れた。


 壁際には六八名の《戦乙女ヴァルキリー》達が横たわっており、皆例外なく、舌を突き出してアヘっている。


 そのさまはまるで性的なアレやらコレやらを激しくヤリまくった後、といった様相であるが……


 実際はマッサージを受けただけで、不健全なことなど何一つしてはいない。


「え~……ではオズ殿」

「あぁ。エリザ、君のプランでいこう」


 会議についても完了を迎え、我々は今後の方針を決定するに至った。

 それは早速、明日から実行することになったため、本日はもう床に就きたいところだが。


「さて、会議も終わったことだし……」

「わたし達にも、どうか」

「皆にやってたアレ、お願いしても、いいかしら?」

 

 エリザを始め、複数の幹部 《戦乙女ヴァルキリー》が発情したような顔を見せ、その中に混じる形で、ソフィアが好奇心に満ちた瞳を向けてくる。


 だからまずは彼女から……と、そのように提案してみたところ、


「み、皆の前だと恥ずかしいから……ふ、二人きりになった後に、ね?」


 頬を紅くして、もじもじと太股を擦り合わせるソフィア。

 そんな姿は実に扇情的で、今すぐにでも自室に連れ込みたくなったのだが。


「オズ殿。それは我々を果てさせてから、ごゆるりと」


 既にベッドの上で待機していたエリザが、ムッチムチな黒尻をいやらしく振って誘惑してくる。


 相も変わらず性欲に忠実過ぎる彼女へ、俺は苦笑を返しつつ近寄って。


「じゃあ、始めようか」


 宣言すると同時にマッサージをスタート。


 そうして。


 エリザを皮切りに、幹部達全員をアヘ顔へと導くのだった――

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