第一一話 褐色エロ獣人と、おはよう●●●


 ピンッと立った獣耳。


 ふりふりと左右に揺れるフサフサな尻尾。


 そして……彼女の褐色エロボディーを視認すると同時に、俺は心地良い弾力の正体に気が付いた。


 おっぱいである。


 エリザの乳房を、俺は鷲掴みにしていたのだ。


 それを理解した瞬間。


「オズっ! 朝よっ! 目ぇ、覚ま、しな、さ、い……?」


 ドアを開いて入室した途端、ソフィアの表情が石化する。


 彼女の大きな瞳に映っているのは、同衾した男女の姿。

 しかも男の方は女の乳を揉んでいる状態。


 どう考えてもコレは、そういうふうにしか見えない光景であろう。


「な、ななな……! なぁぁぁにやってんのよぉおおおおおおおおおおおおっ!?」


 ソフィアの絶叫が室内に轟いた。


「ま、待ってくれソフィア! ち、違うんだ!」

「なぁ~にが違うってのよ! もうそのまんまじゃないの!」


 ズンズンと足を踏みならしながらやって来るソフィア。


 一歩踏み出す度に爆乳が「ぶるんっ♥」と揺れて実にエロかったが、そんなことを思っている場合ではない。


「目が覚めたらエリザが居たんだ! 俺が連れ込んだわけじゃない!」


 ソフィアの刺々しい視線に焦燥を覚えながら、必死に弁解する。

 そんな俺にエリザは同意の言葉を返した。


「うむ。オズ殿のおっしゃる通り、わたしが勝手に添い寝をさせていただいたのだ」

「はぁっ!?」


 なんでそんなことを?

 ソフィアが言外に放った問いは、こちらとしても気になる内容だった。


 これに対しエリザは背筋を伸ばし、堂々とした態度で返答する。


「ソフィア。お前は昨晩わたしに報告したな? オズ殿の記憶が戻ったと」

「それがどうして添い寝に繋がるのよっ!」

「まぁ最後まで聞け。お前の報告を受けた後、わたしは一晩中考えていたのだ。何がオズ殿の記憶を呼び起こしたのか、とな」


 彼女は指を二本立てて、続きの内容を語り始めた。


「可能性としては二つ。過去、頻繁に行ってきたスキンシップが心身に影響を与えたがため。ロマンチシズムな言い方をするならば、お前達の絆によって記憶が戻った、ということになるわけだが……わたしには、もう一つの可能性が本命ではないかと思えた」

「もう一つの、可能性?」


 首を傾げるソフィアにエリザは小さく頷いて、


「うむ。強烈な興奮がオズ殿の脳を刺激し、なんらかの作用をもたらしたのではないかと、わたしはそのように考えたのだ」

「きょ、強烈な、興奮?」

「お前はオズ殿について、常々こう述べていたな。極度のむっつりスケベであると。そうした心根が押し当てられた乳房に強い反応を示し、凄まじい興奮が生じた。その刺激たるや筆舌に尽くし難く……ゆえに、オズ殿の脳が過去を修復したのではないか、と」


 んなアホな理屈が…………いや、完全には否定出来ない、か?


「これはひとえに戦争の勝利を掴み取るためのもの。ゆえに我が行為は決して不埒なモノではない。そういうわけで……実験をしようではないか、大賢者殿♥」


 艶然とした微笑を浮かべ、こちらを誘うように胸を張るエリザ。


 たぷんっ♥


 いやらしく揺れる褐色の爆乳。

 それを前にして、俺は無意識のうちに喉を鳴らしたが、しかし。


「ソ、ソフィア」

「……なによ?」

「実験を行う許可が、欲しいん、だけど」


 たぶんこれは他人の許しなんて必要としないことなんだろうとは思う。


 揉みたい乳を好きなように揉んでも、文句を言われる筋合いはないはずだ。


 しかしそれでも彼女に許可を求めたのは、大賢者の記憶が一部とはいえ戻ったことによる影響だろうか。


「ダメ、かな?」


 こちらの問いに対し、ソフィアは眉間に皺を寄せながら答えた。


「……まぁ、おっぱい触るだけで記憶が戻るなら万々歳だし。あたしのでいいじゃん、とも思うけれど……サンプルは多く取った方がいいってのも事実だしね……」


 そして彼女は言う。

 好きにすれば、と。


「ふふ。では大賢者殿。思う存分、エリザの乳房をご堪能あれ♥」


 阻むものはもう、何もない。

 俺はゆっくりとそこへ手を伸ばし――

 両手でエリザの胸を鷲掴んだ。


 もにっ♥


 掌全体から伝わってくる弾力と柔らかさ、そして彼女の温もり。

 それは単なる脂肪の塊と表するには、あまりにも。

 あまりにも、心地が良すぎるものだった。


 ぐにゅんっ♥ ぐにゅんっ♥ ぐにゅんっ♥


 魔性。

 そのようにしか表現出来ない。


 むにゅっ♥ むにゅっ♥ むにゅっ♥


 まるで底無し沼へ引き摺りこまれるような感覚。

 気付けば俺は、乳を揉むことしか出来ない生物へと堕ちていた。


 もちゅんっ♥ もちゅんっ♥ もちゅんっ♥


 多くの《戦乙女ヴァルキリー》達がそうであるように、エリザもまた下着を着用していない。

 ゆえに掌から伝わる感触はまさに生乳のそれ。


 にみゅんっ♥ にみゅんっ♥ にみゅんっ♥


 指の合間からハミ出る褐色の乳肉。

 その様はあまりにも淫靡なもので。

 さらには。


「ふっ、く……♥」


 乳を揉まれて発情し始めたのか、エリザの表情が妖艶さを増していく。


「んっ……♥ ふふ♥ さすがは大賢者殿、わたしの弱いところを、的確に……♥」


 捏ねるように全体を揉み回す。

 揺らすように下乳を刺激する。


 そうしていると、エリザは獣耳と尻尾をピンッと立たせて、


「んぅっ……♥ くっ……♥ いかが、ですか? エリザの乳房、は……♥」


 艶めいた吐息を漏らしながら問うてくる。


 色欲の化身めいた姿に、俺は心臓の鼓動を高めながら、受け答えた。


「す、すごく、いい」

「んふっ♥ ふふっ♥ それは重畳……あふんっ♥」


 こちらの乳揉みに合わせて喘ぐエリザ。

 その様相はあまりにも淫靡で……

 

 こんな状況を前にしたなら、生理的な反応が発生するのは必然といえよう。


「興奮、しておられるのですね、オズ殿……♥」


 膨らみ始めたそれを目にしながら、エリザは艶然とした微笑に喜悦を宿し、呟く。


「わたしにも、チャンスはあるということか……♥」


 熱烈な眼差しと、呟き声。

 ここまでされて気付かないほど、俺は鈍感じゃない。


「エリ、ザ」


 褐色の爆乳を揉みしだく手に、さらなる情熱が篭もる。


 にみゅっ♥ にみゅっ♥ にみゅっ♥

 もちゅっ♥ もちゅっ♥ もちゅっ♥


 淫らに形を変える乳房。

 高まるボルテージ。

 やがて、俺とエリザは極限状態へと導かれ――


 その瞬間、二つの変化が同時に現れた。


 一つはエリザの刻印。

 彼女の刺青めいたそれが、淡い発光を見せる。


 そして、二つ目は――


「うっ」


 我が身に降りかかった、強烈な頭痛。


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