そんな現実でもオレは生きる(始まりのお話)
宮野迷子
#1 絶望から始まった新学期
ーこれはオレが中学に上がる前のお話ー
「いってきま〜す!!!!」
「いってらっしゃい、気をつけるのよ〜!!」
私は朝雛 真依華(あさひな まいか)!!今日から始まる新学期!!!最高学年・六年生の生活が始まる…!!!!クラスはどんな感じなんだろ〜??そんなことも考えながら学校へ行く。
ーこの頃のオレは知らない。この最後の一年が最悪で最高な一年のことを。ー
「あ!胡桃(くるみ)!!おはよ〜!!!」
「あ!!真依華!!おはよ〜!」
この子は如月 胡桃(きさらぎ くるみ)。私の大親友で、まるでモデルのようにかわいい子!!
「は〜い!!新六年生はここに並んで〜!!」
と、先生の声が聞こえる。私は胡桃の手を引いて
「行こっ!!」
と、声をかける。胡桃はにっこり頷き、先生のところへ向かった。
ーそこについてクラス分け表が配られるー
「何クラスだろぉ〜?!」
ワクワクした顔で見る。すると、胡桃は顔を青ざめて
「真依華と…違うクラスなんだけど…??」
と言った。イヤ、そんなわけ…あ……私は一組で胡桃は二組。やだ…やだよ……
「し、しかも…亜実(アミ)もみんないないじゃん…私…ひとりぼっちなの…?」
亜実は、五年の頃に引っ越してきた大親友。他にもたくさんの仲良しさんもみんな二組へ。でも1番イヤだったのが胡桃とクラスが違うこと。胡桃なんかは小三からずっと仲良しで同じクラスだったから余計悲しかった。
「は〜い!!みなさ〜ん!!クラスごとに並んでくださいね〜!!」
と、先生が言った。みんなが並び終わり、新学期が始まった。
帰りながら私は思った。クラスに仲良くなれそうな子はいるけど…私に陰口言った子もいるからな〜…汗そんなこんなでトボトボしながら家に帰る。
「ただいま〜」
「おかえり!クラスはどう??」
荷物を置いて、クラスについて話す。途中、耐えられずに泣いた。でもなんとかやっていこうと決意した。
次の日、私は学校へ向かう。
「まずははじめの一歩で…!!!」
そう呟いて、教室に入る。
ー当時は一軍女子が多くて個性や、ありのままの自分を出しづらかった。ー
一年生から三年生まで仲良しだった柚璃(ゆり)ちゃんの元へ行く。
「柚璃ちゃんっ!!!おはよっ!」
いつもの『友達内だけ明るい』を出した。柚璃ちゃんは笑顔で
「おはよ」
と、言う。柚璃ちゃんは元から声の小さい子。だけどかわいいからいつも癒されてた。久しぶりに柚璃ちゃんに癒されたからどこか嬉しかった。
ーでも、これから嫌だったことが起こるんだよな…ー
給食準備中、私はボーっとそっぽ向いてると一軍女子の一人・茉理(まり)ちゃんが、
「あれ〜??大丈夫〜???ww」
と、笑いながらボーっとしてる顔を真似された。まるで小馬鹿にしてるかのように。私は恥ずかしくなって急いで水道に行って手を洗った。確かにボーっとしていた私も悪いけど……。ボーっとすることさえ許されない学校がイヤだった。そこで私は学校でボーっとしちゃダメだと自分に言い聞かせた。
給食が終わり、先程の出来事を引きずりつつも柚璃ちゃんのところへ行く。柚璃ちゃんは絵を描いていた。私は絵を見て思い出した…。小学校…ずっといるけど、みんなは私の絵をじっくり見たり何か言ってくる。
「ねぇ、これは何?」
「え?誰?それ」
って。聞かれるたびに胸がちくりと痛くなる。
ーそんなのどうだっていいじゃん…ー
聞かれたり、じっくり見られるのがイヤになってからいつのまにか学校で絵を描くのがイヤになった。でも柚璃ちゃんが絵を描いてると、自分も描いていいんだってホッとする。私は、
「わぁ!!かわいい羊!!もしかして…柚璃ちゃんの定規がモチーフ!?」
と、聞く。柚璃ちゃんは
「よく気づいたね、そうだよ」
と、言ってくれた。描いていたのは柚璃ちゃんの定規に描かれている羊4匹。帽子が飛んでいっている。一年生からの相棒のような定規。どこか愛着がわく。そして私は柚璃ちゃんに紙をもらって絵を描く。やっぱお絵描きは楽しいな…!!そんな感じで過ごした。
数日後。
「はい!!みなさん!!委員会とか決めますよ〜!!!」
と、先生が言う。とうとう始まった。委員会・クラブ決め…!!絶対入ってみせる…!!今度こそ…!!
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