エレベーター

中靍 水雲

プロローグ

 異世界に行くには、いくつかの方法がある。

 この話では、そのひとつをご紹介しよう。


 『異世界に行くための方法』。


 まず、十階以上あるエレベーターに乗る。

 次に、エレベーターに乗ったまま、四階、二階、五階、十階へ行く。

 この時、誰かが乗ってきたら、成功しない。

 十階についたら、次は八階へ行く。

 八階に着くと、小さな子どもが乗ってくる。その子には決して話しかけてはいけない。

 次は、三階のボタンを押す、が……エレベーターは三階へ行くことはなく、そのまま、十階に行く。

 そうなったら、成功だ。

 エレベーターの扉が開くと、そこは〝あちらの世界〟となっている。


 これらは、必ずルールにそって行わなければならない。


 必ず、ルールにそわなければ……。

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