第21話 ※ここでちょっと小説返歌
それへ「オウ、ウワット・ア・アブスタネット・パーソン・ユー・アー!ミスジャッジィング・マン・イズ・ユー!いま俺を見そこなっているのは君だ。禿木、俺は必ず一葉さんの力になれる。なってみせる。彼女の顔を立てて見せるから、きっと頼んだよ」と言明する。胡蝶が「秋骨はシリアスだろう。酔いのうえではあるまい。禿木、いま自由に動けるのは君だ。ひとつぼくからも頼むよ。近日中に一葉宅へまた赴いてくれないか」と頼み秋骨に「なんという人徳のある神父だ。日本福音教会も材を得たものだ」と云えば「このやろう、さっき背徳のけしからん神父と云ったのは誰だ!?」と応じ皆が哄笑する。これからいっしょに飲み直しのうえで自分の画策することを述べるからと強引に誘い、連れ立って帝大構内から池之端方面へと4人は消えて行った。
《※ここでちょっと小説返歌など…》
夕月夜をぐらき夜半に一葉はいかにかおのれむすぼほれけむ
龍泉も萩のお宿も住みかねてをぐらきままに男狩りもす
いとせめてこの娘(こ)なりとも発たせてむ澱にゐさしょかお力と死すな
上三首、著者
(注)前作「一葉恋慕・大森編」でも述べましたが、小説返歌とは和歌の世界における長歌の形式に倣ったものです。(次ページに続く)
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