第10話 TPPに参加できない国は信じるな
奉行大臣・石田三成が国務大臣・明智光秀の協力を受け、日本にとって不条理な異人による不動産取得に厳しい罰則と制限を設けている中、新たな問題が噴出した。それは資源大臣・加藤清正から齎された。再生可能なエネルギーに取り組んでいた前政権が日本を貶めようとしている国と関連した企業が関わっていたことが明らかになった。エネルギー政策の資料の中に中酷企業がその企業のロゴの透かしが入っていたことが明らかになった。それを提出した委員は中酷の息の掛かった人物であり、事件が明らかになった時点で雲隠れした。再生可能エネルギー拡大で送電線網新設に1兆5000億円以上が投入される計画がある。送電線はインフラの重要部分であり、安全・防犯上から国内企業に任せるのが通例だった。そこに他国の企業、ましてや中酷企業が関わっていることは重大な国家防衛の問題でもあった。生命線でもある電力部門を異国に牛耳られれば、有事の際は勿論、交渉の課程でも大きな痛手を負うことは明白だった。親中は議員によってこの工事請負を公募することが決まっていた。公募に当たり参加企業の身辺調査は厳重に行うべきところ、表面上は日本企業に成りすました中酷企業が入り込んでいることが大問題だった。お江が進めるセキュリティクリアランスの成立を妨げているのも中酷の息の掛かった議員や委員会だった。信長総理は経済安全保障担当大臣・お江を呼び寄せた。
信長「お江殿、聞いたか」
お江「愚か者を通り過ぎバカやろと苛立ちを抑えきれませんでした」
信長「前政権は悪性のカビ迄置き土産にしよったか」
お江「直ちに前政権での委員会を解体し、新たな組織を構築します。国の生命線であ
り、国費を使う以上、国内企業に任せるべきこと」
信長「公募は確定となると入札価格か」
お江「不当に低い入札価格は中酷の補助金があってのこと。安価に良質を求めるのは
酷というもの。安かろう悪かろうは我が国には縁なきことです」
信長「うん、清正を呼べぇ~」
信長は、資源大臣・加藤清正を呼びつけた。呼ばれた清正はことの重要性を既に熟知していた。
清正「送電線の件ですな。それなら既に手を打っております。公募対象は国内企業に
限定を基本とし、資材の関連で異国を使う場合は、環太平洋経済連携協定に参
加している企業に限定する。それ以外から調達したことが明らかになった場
合、今後一切、公共事業に参加させない、多額の罰則金を払わせてやるばかり
か、経営者・担当者にも懲役を含めた厳罰を課してやろうと存じます」
お江「前政権の担当者の親族は中酷企業から利益許与されている者。本人が無実と訴
えるも信用ならん。繋がりが判明した段階でスパイ容疑で捕らえてやります」
信長「徹底的にやるがよい。見せしめにもなろう」
清正「不当な低価格で市場を歪めさせる恐れがある場合、どの企業であれ、疑いがあ
れば我らが契約獲得を厳罰を持って禁止します。それが企業連合の一社であっ
ても全体責任を取らせる所存です」
信長「よく言った」
清正「環太平洋経済連携協定に参加している企業に限定することは中酷を弾き出す最
も強力な手立てとなりますでしょう」
お江「太陽光発電事業に関わる企業にはリサイクル法を厳守させるべき。中酷企業に
勝ち逃げを許すなど国民に対する裏切り行為と肝に銘じるべきことよ」
清正「中酷は貧困に苦しんでいる。この事業の金は何が何でも取りに来るに違いな
い。それを監視するのは難しいでしょう。マネーロンダリングのように。なら
ば、関われば破滅を意味すると風潮することが大事かと」
お江「願わくば、さらし者を裁き、我ら政権の本気度を示すことが不届きな国を排除
する良策かと」
清正「知らなかったは通じない、強固な姿勢を厳守致します」
お江「頼もしい限り」
信長「お花畑と呼ばれるこの国の意識を一新せよ」
お江「有難きお言葉」
清正「お江の方は生前、苦汁を舐めさせられたようで、その恨みつらみを吐き出され
るがよいわ」
信長「秀吉には聞かせないでおくわ、わはははは」
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