第8話 日本の領土を譲渡するなど怪しからん!
キリシタンに改宗したキリシタン大名・大内純忠がイエズス会に長崎を寄進していることが判明。秀吉は、外国人に日本の領土の一部を譲渡するなど仕掛けた国の植民地化を促進しているのと同じだと言語道断と言わんばかりに「バテレン追放令」を発令した。秀吉の時代に日本人を奴隷売買の対象にしていたこと、神社仏閣を破壊したことも含め家康の時代になると宣教師は日本の治安を乱す諸悪の根源と国外追放を命じた。内乱などあってはならぬ。二分する思想など他国の政治介入を容易にするだけ。国内の統一こそが安泰ぞ。と鎖国政策に勤しんだ。とは言っても海外の情報を得るため一部の異国は特定の地で受け入れ、万が一を考え、井の中の蛙大海を知らずにならないように海外から目を背けることはなかった。
経済安全保障担当大臣・お江は、日本を異国からの諜報員や危害からこの国を守るため不届き者や行為を国際基準に高めようと努力していた。そこには不届きな国と関わり甘い汁に身を委ねた議員や企業が中枢に食い込み、正常な機能の阻害を行う勢力が暗躍していた。議会政治は多数決。その一票を持つ議員とその議員を支援する悪徳企業が組織化し、何かと不届きな国の不利になる取り締まりを邪魔していた。お江は一筋縄で行かない法案政策に苦慮していた。そのためにも妨害する者を法的に除外・押さえつけられるセキュリティークリアランス(適性評価)制度を導入を急いでいた。セキュリティークリアランスとは、民間人を含め経済安全保障上の重要情報を扱う者の身辺を国が事前調査するもの。スパイ天国とされる日本を諜報員から守る重要な法案だ。この法案の先には不届きな国、関わる企業、人物の罰則を伴う排除があった。不届きな国関係者には何としても廃案または弱体化させる必要があり、常にお江を引き摺り下ろすためお江のスキャンダルを探すのに躍起になっていた。
お 江「家康殿、異国の者による我が国の植民地化が進んでおります」
家 康「なんと、植民地化だと」
お 江「秀吉殿が異国の植民地化に気づかれ、家康殿が留目を指された。是非、この
危機を秀吉殿に伝えて頂き、信長殿の英断を引き出して頂きたい」
家 康「なぜ、お江が直接、信長殿に伝えぬ」
お 江「根回しは慎重に、ですよ。戦国の時代でさへ異国に領土を寄進したキリシタ
ン大名がおりました。我が国の土地を爆買いしているのは中酷。手を組む相
手ではない害国関係者。今日はにこにこ、明日は侵略者となる国防動員法を
施行した以上、その法案を緩和・取り下げても信頼など微塵もありません。
施行した以上、修復不可能なもの。根深く我が国に食い込んでいる不届きな
者の動きを鈍化させるためにも周りを固め、付け入る隙を作らず慎重に進め
る必要がありますから。それを危惧するように国政を預かる議員の中には不
届きな国と内通している者もおります。」
家 康「それまでに前政権は腐敗しておるのか」
お 江「氷山の一角でこの有様。土地取得を規制するために提出された法案を前政権
が議員の票を取りまとめるため連立表して組んだ光明党の横槍で骨抜きにさ
れた実例もあります」
家 康「神仏はそれを踏まえて我らに議席の過半数を与えたのか」
お 江「堂々巡りしている暇はありませんからね」
家 康「では、秀吉殿と共に総理に進言致すとするか」
(登場人物)
総理大臣に織田信長
副総理に豊臣秀吉
幹事長に徳川家康
政調会長に本田忠勝
財務大臣に小西行長
外務大臣に伊達政宗
国務大臣に明智光秀
奉行大臣に石田三成
資源大臣・加藤清正
渉外大臣・黒田官兵衛
経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」
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