第4話 移動式レールガン

秀吉「義弘、中酷が我が領土に侵入し何やら悪さをしておる。再三注意・警告を前政

   権が行ってきたが口ばかりの遺憾砲は役に立たぬどころか馬鹿にされる始末。

   舐められ過ぎて臭くて仕方ないわ。思い存分、懲らしめてやれ」

義弘「御意」


 侍日本党の支持を受けた義弘は問題にしにくくダメージの大きい事のみを考えた。舐められた相手には甘噛みでなく本気で噛むこと。力の差を見せつけること。見せかけの兵力の差などに困惑を微塵とも見せない義弘は泗川の戦いの後悔を今一度思い知らせてやると動いた。義弘の脳内にはお勧め動画流れていた。義弘は自軍に帰り、戦力の整備・補強に尽力するとともに万が一の紛争に備えて動いた。


義弘「我が敵は尖閣にあり」


 義弘は中酷の悪行を確認していた。対象は潜水艦とその潜水艦の隠れ家を測量する測量艦だった。潜水艦じゃ海中の忍者。それを見つけ出すのが浅い水域でのアクティブソナー、深い水域でのパッシブソナーで探知できる。空からはP-1哨戒機で監視。日本は海難事故を防止のためこの海域のデータを詳細に分析。さらに日米のsosus(ソーサス)潜水艦音響監視システム、日本独自の秘匿の水中固定聴音機があることを知る。

 激しい海流で雑音も多い。中酷潜水艦のために季節を分けて測量船が現れる点にも義弘は着目していた。日本の高度な潜水艦監視システムを自分たちにできないことは相手も出来ないと思い込む安易な中酷であることもお勧め動画で確認していた。


義弘「戦の方法も激変してるな、面白いは。しかし、考え方は変わらないものよ。か

   らくりに追いつかないのが感情や思考よ。刃物は使う者によって切れ味が変わ

   るのと同じよ。秀吉殿の太鼓判もある。ここは大胆に生意気な中酷に一泡どこ

   ろか癲癇でも起こさせてやるか、わハハハハハ」


 義弘は潜水艦の調査を強化した。すぐに潜水艦の動きを確認できた。義弘は船舶を用意し自称・不発弾を乗せた。中酷潜水艦はEEZ外にいた。義弘は潜水艦の中酷側に回り業とらしく潜水艦探査を開始した。


中酷艦長「小国日本が我が自慢の潜水艦を探し回っている愚かな」

中酷船員「我が艦、敵に知られている恐れあり」

中酷艦長「敵は我が国側を重点に探してるな。ならば日本領域に侵入。程度の低い

     日本に見つけられるはずないは」

中酷船員「日本領域に入ります」

中酷船長「大丈夫だ、みろ、追い込みが鈍化してきている。見失ったに違いない」

中国船員「日本が何かを投下」

中国船長「魚雷か」

中国船員「いえ、…。海中照明弾のようです」

中国船長「海中で照明弾だと、映像でも取るつもりか。そうはさせない」

中酷船員「無線、傍受」

中酷船長「内容は」

中酷船員「それが中酷語で主席から不発弾処理を行えと海兵隊に支持があったのこと

     です。日本領域にかなり入りました。我が艦海上に船舶がいます、あっ、

     今、船舶から不発弾を投下したとのこと」

中酷船長「海兵隊の船舶だろ。そもそもなぜ日本海領域にいる。それより我が艦が真

     下にいることを…知るわけないか」


 日本海域に侵入していた中酷潜水艦は、近くで船舶から投下された自称・不発弾の

爆破衝撃をもろに浴びた。杜撰な船体の結合部分に亀裂が入った。中酷船長はパニックに陥っていた。主席が指示した不発弾処理の影響で艦が損傷したなど報告できない。冷静さを失った中酷潜水艦は浮上して国際的に恥を晒すか海中待機するかで悩んだ結果、気蓄機の空気をバラストタンクに加えて海水を排水し艦の重量を軽くして浮上させようとしたが思うように空気が送れないでいた。

 潜水艦内部には警報機が代わりの赤色灯に染まっていた。船員は我先に逃げ出そうとハッチに群がった。とは言え深海でハッチを開けられない。そのまま中酷潜水艦は消息を絶った。

 中酷軍部は大騒ぎになった。日本に沈められたか、日本領域で。そもそも日本が沈めたのか。中酷は国際的批判と海軍のお粗末さを拡散しないためにお忍びの潜水艦をいいことにこのことには一切触れない方針を決めた。


 義弘から報告を受けた信長は、ご満悦の様子で祝杯を挙げていた。


秀吉「これで少しは静かになるでしょう」

信長「義弘らしく、相手の心を読んでの行動、天晴よ、わハハハハ。義弘、褒美を遣

   わす何でも言え」

義弘「軍備増強を。我が国にはレールガンがあります。それには膨大な電力がいるが

   移動可能な小型原子炉があります。これらを組み合わせ、大型のトラック、コ

   ンテナ車に積み込むか列車で移動できるようにして頂きたい。移動できれば防

   御・攻撃に多大なる戦果を得られるかと」

信長「軍事費の増額か」


 そこに同席していた資源を司る資源大臣・加藤清正が進言してきた。


清正「我が国には手付かずの資源があります。それを積極的に行いましょう」

信長「そのような資源があるのか」


(登場人物)

総理大臣に織田信長

副総理に豊臣秀吉

幹事長に徳川家康

政調会長に本田忠勝

財務大臣に小西行長

外務大臣に伊達政宗

国務大臣に明智光秀

奉行大臣に石田三成

資源大臣・加藤清正

渉外大臣・黒田官兵衛

経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」







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