足元のパラレルワールド

@hii-co

第1話

朝からそわそわしていた。

今夜、夜行バスに乗る。そう考えるだけで何とも言えない緊張感に襲われている。夜行バスなんて何年ぶりだろうか。ここ数年は一年が過ぎていくことに節を感じないので、どんどん時間に置いていかれるような気がする。足元でネコのサニーが戯れついている。出かけてしまうことを敏感に察知しているのかもしれない。いくら寝ても頭が回らないので、スマホで持っていくべきものを調べて、ひとつずつ引っ張り出してきた旅行用のバッグに詰めていく。何日で戻ってこれるんだろう。そう思いながら詰めたバッグは思いの外パンパンになってしまっていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る