TV局専務殺人事件

クライングフリーマン

TV局専務殺人事件

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 =======================

 中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室勤務。

 中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。

 高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。

 芹沢稲子・・・漫画家。

 徳野・・・テレビ3プロデューサー。元本日テレビプロデューサー。

 林田・・・テレビ3脚本家。元本日テレビ脚本家。

 芹沢稲子・・・原作漫画家。

 髙良(こうら)専務・・・テレビ3専務。

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 私は、重罪を犯しました。Chot GPTを使った闇サイトで唆され、徳野を雇用しました。旧体制のテレビマンを救えるのは、お前だけだ、と言われ、雇用したのです。徳野も、脚本家の林田も『新しい名前』で再出発させて、いいことをしたと思っていました。雇用してすぐは、普通の仕事をしていた2人がイジメに走ったのは、2人とも芹沢先生の事が好きだったからです。詭弁じゃありません。2人は、お互いに複雑な思いを『イジメ競争』にぶつけました。私には理解出来ない感情でした。ファンのクレームも知っていましたが、ドラマは、そこそこ数字を取っていました。以前聞いたことがある、『数字、視聴率』という魔物が私にも巣食っていたのでしょうか?私は、全ての責任を取って、先生の後を追います。あの世で、何度も土下座します。

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 中津健二と高崎は、芹沢稲子自殺事件の、徳野と林田のアリバイの裏を取りに動いた。

 久保田管理官と健二の兄である中津警部の依頼である。

 徳野は所謂『路駐』、詰まり、路上駐車をしたため、警察署に『反則金』を支払いに『出頭』している。こんな完璧なアリバイはない。

 中津は違和感を強く抱いた。近くには、ファミリーレストラン、コンビニ、スーパー、ホームセンターがある。『駐車に困る状況』ではない。それなのに、民家の玄関先に駐車していたのである。無論、その家人が警察に通報していた。

『急いでいた』と、徳野は弁明した。そして、同乗していた、と一緒に来た林田は謝罪した。担当した警察官の言葉に、中津はやはり違和感を覚えた。

 林田は、漫画家の芹沢にも、芹沢を自殺に追い込んだことにも謝罪はしていない。

 中津は、更に警察官に事情を聞くと、徳野の反則金手続きをしている間、席を外していた。

 警察署を出た後、高崎は市場調査の為カウンターでカチカチとカウントをする若者を見かけた。もしやと思い尋ねると、夏目リサーチのアルバイトだった。

 中津は夏目警視正に連絡を取り、若者に証言を求めた。

 若者に林田の写真を見せると、あっさりと近くのビルを出入りした事を話した。

 中津は、兄の中津警部に連絡を取り、ガサ入れをした上で、鑑識作業をして貰った。

 殺人事件の犯行現場は、このビルの一室だった。

 髙良専務が残したメモは、この場所を指していたのだ。

 中津警部は、林田と徳野を追求した。遂に、2人は自供をした。林田は、ある女と『協同』で脚本を執筆していた。

 原作と大いに異なる話の展開に、局員達も驚いていたが、原作者の芹沢はもっと驚いた。

 芹沢は、局と覚え書きを交わしていたのだが、約束は反故にされた。

 芹沢が自殺したとされる夜、芹沢は直接林田に会いに行った。

 その時、芹沢は、林田にゴーストライダーがいることを知った。

 そして、芹沢は、殺された。芹沢の遺書は、林田の相方が書いたものだった。

 髙良専務は、芹沢の自殺に疑念を抱いた。その結果、徳野と林田は髙良専務にワープロで遺書を書かせた。前の会社からの転職の件は、いずれ分かると思っていたのか見逃したかは分からない。

 林田は、共犯の女の素性をあまり知らなかった。

「芹沢の自殺も、自殺じゃないだろう。いずれ、全てを明らかにするさ。」中津警部の部屋を出る時、中津健二と高崎は、そんな台詞を背に受けた。

 ―完―

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TV局専務殺人事件 クライングフリーマン @dansan01

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