闇のエルフなんて言われてる割に案外ネアカなダークエルフちゃん。〜世界が違っても女の子ってそんなもん〜

猫野 尻尾

第1話:不可抗力。

異世界からやって来た女の子シリーズです。(=^x^=)

もう飽きてるかもしれませんが、このシリーズは続けたいと思ってます。

これまでたくさんの人間以外の女のこが出てきたので、もういないだろうと

思っていたらまだいました。


異世界からドワーフを追って人間界にやってきたダークエルフ。


彼女の名前は「ベルデ・リンド」って言う。


ベルデはルバルトアルトヘイムって里の森に住んでるダークエルフなんだそうだ、


そしてベルデに追われて逃げたドワーフの名前は「バッカス」って言う。

バッカスがどこに住んでたか、俺は興味ないから聞いてない。

俺は女の子にしか興味ないからね。


そしてベルデと遭遇することになる高校生の俺「夢界 見斗むかい けんと

俺んちは母子家庭・・・母ちゃんは俺を妊娠してる間に父ちゃんが浮気したらしい。

で離婚した。

よく聞くパターンだ・・・だから今は母ちゃんと二人暮らし。


さて基本的にダークエルフとドワーフはあまり仲がよくないみたいだ。

それでも指輪や宝石の修理はドワーフが得意だったからベルデはバッカスに

母親の形見の指輪の修理を頼んだらしい。

でもバッカスは直した指輪を他人に売ってしまった。


怒ったベルデはバッカスを追いかけてるうちに彼が逃げ込んだ死人の森で

異次元空間に迷いこんだらしく気がついたら人間が住む世界に飛ばされて

しまったらしい。


そして学校が休みのその日の昼下がり、俺はゲームのし過ぎで夜更かしが過ぎて

寝不足で昼寝をしていて夢の中にいた。

珍しく好きな子とデートしてるハッピーな夢。


そしたらだ・・・そしたら急に腹の上になにかがドスンって落ちてきた。


気持ちよく寝てて無防備な状態で腹の上に物が落ちてきたら、そりゃ

たまったもんじゃない。


「ゲホオッッ・・・おえ〜〜〜〜」

「い、い、い、息が・・・息ができ・・・できないっひひひひ・・・」

「く、苦しいい・・・いい・・・ウググググ・・・」


「いった〜い・・・」


「ちょ、ちょっと・・・まて・・て」

「な、なんだよ〜・・・いきなり・・・死ぬかと思ったじゃ・・・ないかよ」

「なにが起きたんだ?・・・地震か?」


そう言いながら俺は自分の腹の上の物を見た。

なんか肌の黒い女が俺の腹の上にいた。


「おえ・・・?・・・なに?・・・おまえ誰?」


「・・・ここどこ?」


腹の上の女が言った。


「俺の腹の上だけど・・・ってか。おネエちゃん、誰?」


「おネエちゃん?・・・あ、私?・・・私、ベルデ」


「ベルデ?・・・って?・・・なにもの?」


「あなたこそ誰?」


「俺は見斗・・・夢界 見斗・・・むかい けんと」

「どうなってんだよ、これ?」


「なんか私、別の世界に来たみたい・・・」


いきなりでなにがどうなってるのか分からない俺。

ただただ自分の腹に乗ってる女らしき女を呆然と見ていたが、ふと我に帰って

言った。


「あの、悪いけど俺の上から降りてくれる?」

「俺は、このままでもいいだけどね、母ちゃんにでも見られたら勘違いされるから」


お互い、ちょっと落ち着いたところでベルデはことの経緯を俺に語って

聞かせた。


「なるほどね・・・で、いきなり俺の腹の上だったわけか」

「ちょっと信じ難い話だよね・・・」

「で、そのドワーフとやらは?」


「分かんない・・・どこか別の場所に飛ばされてるかも」


「あのさ、ベルデ?・・・君、耳尖ってるよね・・・それ本物?イミテーション

じゃないよな」


「本当の耳だけど・・・」


そしたら一階のリビングから悲鳴が聞こえた。


「母ちゃんか?」


俺はベルデを引き連れて様子を見にリビングまで降りていった。

そしたら母ちゃんが腰を抜かして指差しながらアワアワ言っていた。


ゴッキーでも出たのかと思って母ちゃんが指差した方を見たら、なんと

知らないちっこい、じいさんが腰を抜かしたのか、ずっこけていた。


「あ、バッカス・・・」


「あ、ベルデ」


「え?なんだ・・・ベルデこいつ・・・もしかしてドワーフってやつか?」


「そうだよ、ドワーフのバッカス」


「あ〜このじいさん押入れに現れたんだ・・・」

「俺の腹の上じゃなくてよかったわ」

「じいさん、大丈夫か?ずっこけた拍子に骨でも折ってたりしてないよな?

病院へ連れて行くの面倒だからさ」


「じじいじゃないわい・・・これでもまだ40代だぞ、失礼な!!」


「へ〜じゃ〜母ちゃんと歳そんなに変わんないんだ?」


バッカスはクチと顎に立派なヒゲを携えた体格のがっしりしたドワーフだった。

だから老けて見えたんだ。

髪は後ろで一つにまとめて三つ編みにしていた。

まるで絵に描いたような、私がドワーフですからってキャラ。


それより意味が分からずパニクってる母ちゃんに何が起こったのか分かるよう

説明してやらねばいけないだろう・・・この場を納めるには・・・。

普通は私をバカにしとんのかって怒られるところ。

俺は、なんでこんなことになってるかについて、ベルデに聞いた通り母ちゃんに

説明した。

まあ納得させるのが大変だった。


さて、このふたりどうしたもんだか・・・この場合「迷惑だから、おまえら出て

行け」って言ってもいいんだけど・・・。

来た世界に帰る手立てもないみたいだし・・・行くところもないみたいだし、

俺んちに置いて欲しそう〜にしてるし・・・。


で、母ちゃんに俺んちに置いてやっていいかどうか聞いてみたら、ふたりも

増えたら家計に響くだろって言われた。


たしかに・・・。


でも母ちゃんだって追い出せないだろって言ったら、どうしてもって言うなら、

この人たちのことは、あんたがバイトで稼いで面倒見るならってことで、なんとか

オッケーをもらった。

って訳でベルデとバッカスはそのまま俺の家に住み着いてしまった。


でも犬猿の仲のふたり・・・この先どうなることやら・・・。

なんだか早速、指輪返せって揉めてるし・・・。


男の俺にはドワーフのバッカスには関心ないとしても、問題はベルデだ。

俺から見るとベルデの歳は俺とさほど変わらなそうだけど見方によっては

あどけなくも見えるし、見方によっては大人っぽくも見える。

まるで色を変えるカメレオンみたいだ。


基本的にエロくて妖艶で淫靡的。

そりゃね・・・男子なら興味が湧くってもんだよね。


聞くと彼女はダークエルフだって言う。

まじですか?

ファンタジーくらいは読んだことあるし、ゲームもやってるからエルフや

ダークエルフやドワーフの存在くらいは俺でも知ってる。

でもあくまでも、それはファンタジーの世界での話だ。


こんなことってあるんだ・・・。

普通はありえないことだけど絵空事的な話は素直に受け入れた方が無駄に

悩まなくて済むってもんだよな・・・。


だから素直に受け入れよう。


とぅ〜び〜こんて乳。

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