第74話 魔法の新たな可能性

「いつもより美味しい気がするー!ルアもそう思うでしょ?」


「うん!なんだかいつもより味わい深い。」


 気がするのではなく実際にそうなのだろう。普段から食事をする時に感謝の念を抱いていても、自分で狩った食事は余す事なく味わおうとする分いつもより美味しくなるのだろう。


 僕の場合今までに食べたことのないほど上質な肉だったのはあるが、もっと上質な物を食べた今でも初めて自分たちで狩った肉の味は思い出せる。それほど味、経験ともに特別なものなのだ。今のゾンとルアを見ていると、2人にとってもにとってもそうなるのだうな。


「そういえば2人に聞きたいことがあったんだ。」


「なにー?」


「どうしたの?」


「あの最後の魔法はどうやったんだ?」


「「?」」


 2人揃って首を傾げてしまった。キョトンとこちらを見るその仕草は可愛いのだが今はそれよりもだ。


「2人には言ってなかったんだが、普通魔法と魔法がぶつかると威力の高い方が勝って、威力の弱い方は消失するんだ。もしくはどっちも消えるかになる。っていうのが僕の魔法の常識だったのだがあの最後の魔法は消えるどころか相乗効果を生み出していたんだがどうやったんだ?」


「そういうものじゃないのー?」


「私も魔法は2つ合わされば効果が高くなるものだと思ってた。」


 どうやら2人にとっては当たり前のことみたいだな。


「2人はどうしてそう思っていたの?」


「うーん、なんでだっけ?」


「魔法使い始めた頃に、少し大きな魔法は1人じゃ使えなかったから2人の魔力を合わせて発動してたの。それから2人の魔力で魔法を発動してて、大きな魔法を1人でも発動できるようになったから今度は魔法同士を合わせるようにしたの。」


「そうそう、そうだった!魔力を混ぜ合わせる要領で魔法も混ぜ合わせたら出来たんだ!」


 なるほど。魔法を、というより魔力を混ぜ合わせる感じか。


「魔力量とか意識してる事はあるかい?」


「ないかなー?」


「うん、何も考えずとも出来てた。」


 それほど難しくないのか?試してみるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る