お師匠さんの部屋

わたしは、さよりんに手をひっぱられ、運河の街をいっしょに歩いた。


「どうや?ベネツィアの街も、なんか、ええやろ?」

って、さよりんに言われて


「うんっ!なんか、可愛くて面白い...」

って答えた。


「あははは、そやろー!」

って、さよりんは喜んでる。



そして、さよりんの部屋に着いた。

運河沿いの、めっちゃ可愛らしい建物。


「どうぞー」

って言って、さよりんは玄関を開ける。

わたしは、さよりんと手をつないで、ふたりでさよりんの部屋に入った。


「うわー!絵、いっぱいあるー」


部屋には、さよりんの描いてる何枚ものたくさんの絵。

ベネツィアの風景画やら、人物画やら...


さよりんは、ちっちゃい頃から、わたしの絵のお師匠さんでもある。



「さっきの橋の上の、イタリアのイケメンさんたちは?」

って、わたしは、さよりんに聞いてみた。


「え?...ああ、ちょっと、まあ、仕事関係やな、あはは」

って笑ってる、さよりん。


「仕事関係?...旅行の?」

「まあな...」


「でも、さすが、さよりんやなあ。あんなイタリアのイケメンさんたちと言い合えるやなんて」

「そうか...あはははは」


「わたしも、あの時、同じ日本人として、橋の上のさよりんのこと、めっちゃ面白いなあって思って見てたもん!」

「面白いと思ってたんかいっ!」


「いや、すごいな~って思って」

「あはは」






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