短歌『語るのは』 お題:星
忘れまじ
絵本語るる
寝入り前
星も昔も
語らじと知る
解説【長め】
星のことも昔のことも、現象や星々が直接語るのではなく、人間が語り継ぐものです。書き記して残すものもあります。時々、読み方が失われて解読できなくなる時もあります。(万葉集も万葉仮名で書かれているため未解読のものもあるそうです)
媒体自体が破損や消失してしまうこともあります。
口承といいますか口伝にも時代や継承の過程でのミスや先代の急逝などにより、意味が変わってしまったり、文化と共に語られたものが文化自体の
必ずしも口承、というわけではありませんが、語り継ぐことのわかりやすい例だと桃の節句、菖蒲の節句の意味合いなど。
今はwebを調べれば出てきますが、昔は基本的に口伝というか聞かされて覚えたでしょう(僕の私見として、当たり前と思っているものに対して記録を取ろうと思う人は少ないと思うので、急激な変化に際して受け継ぐこと、体系的に記録することが難しかったりします)。雛人形などは昔からある段組みのものは置けなかったり各々の人形の意味が分からなかったり右大臣をどちら側に置くべきか迷ったり。
自分の家でもそうでしたが(そうらしかった?)文化などを受け継ぐのが難しくなったとき、簡略化や内容の縮小をしたり、継承の放棄をしたりしたみたいです。
簡略化や内容の縮小。わかりやすい例だと桃の節句、菖蒲の節句の意味合いなどかもしれません。
実際、実家でも行事は残っているが意義や由来、起原がすっぽり抜け落ちたものがありました(こういう話が新海誠監督の『君の名は。』でも祖母のくどい話として描写されましたが、当代の急逝とか人災天災などで大事な情報が抜け落ちることはあります。特に火災は文献を焼いてしまうので……)。
実家の場合、独自の行事というか検索しても出てこない、全国的なものでは無い(地方の風土的なかんじ)、詳しい人がもういないというのもあり、抜け落ちた部分の復元は不能でした。こういった行事、語り継いできたことはテーマというかテーゼというか、それらが無いので迷子のように変質して本来の目的から離れていくか、継承されなくなります(カケラではどうしようもない、という感じで)。
それで、この一首なのですが(前置きが長くなりました)。
歌であろうと物語であろうと、昔あった事であろうと、星の名前であろうと我々が語り継いでいくしか無いんだよなぁって思いで書きました。寝る前の読み聞かせも子守唄も文化だよなぁと思いつつ。(個人的にはやりたい方ですが先に寝てしまいそうな気も……)
以上です。ありがとうございました。
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