通りゃんせ

笹野谷 天太

プロローグ

 プロローグ


 小学生の聡美さとみには友達がいた。と言っても1年に1度だけ会える友達。


 夏休みに祖父母の家に遊びに行った際に友達となった同い年の少女で、名前は恵子けいこ


 今年も夏休みを利用して祖父母の家に来た聡美は、恵子と再開する。


 1年ぶりの会話を楽しんでいる途中、ふとした拍子に宮崎市に伝わる神事しんじを恵子は話した。


 それは【神遊際かんゆうさい】。8月20日の夜20時から24時までの間、一番街商店街いちばんがいしょうてんがいは神様の憩いの場になるという。


 何人なんぴとも神の休息を覗いてはいけない。その掟によって商店街から人は去り、もぬけの殻となった商店街で神様が集って遊ぶのだという。


 ねぇ見に行こうよ。どちらから言い出したのかも分からない、そんな提案。


 そして2人の少女は一番街商店街に向かったのだった。

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