カクヨムを楽しむための備忘録
大崎 灯
初めて自主企画を開催してみた件
これは備忘録です。
誰かに読んでもらうため、というよりは、自主企画を開催してみて思ったことなどを未来の自分が思い出すために読むことを想定して書いています。
もしかしたら、他の方にも参考になるかもしれないかなあ、とか、誰かに話すと考えがまとまるかも、なんて思って公開しています。
とはいえ、推敲なしのメモ書きなので乱文は平にご容赦を。
この度、私、初めて自主企画を開催してみました。
「すっきりした短編を読みたい!」
というものです。
二つ目のお話を書き終えて、次は読む方を楽しむかあ、と思ったものの、読みかけのお話はそのほとんどが更新待ち。
続きが読みたいとは思うものの、お話を書くことの大変さも身に沁みて分かってきたところなので、他のお話でも読みながら待つことにしよう、と思ったわけです。
それで、何を読もうかなあ、と思ったときに、自分で探すのではなく、色んな人に持ち寄ってもらったら、普段は読まないようなお話も読めたりして面白いんじゃないか、と思い、自主企画を開催することにしました。
自主企画の説明文はできるだけ簡潔にしようってことで、400字以上5万字以下の短編でいうことで特にジャンルなどの制限はしないことにしました。
あんまり長いと夜更かししてしまうし、色んなお話を読めないものね。
あと、夜に読むことも考えて、悪夢を見そうなのは嫌だなあ、と思い、読後感のよいものがいいなあ、という願望も書いておきました。
金曜日の夜に思い立って翌週の金曜日まで、約一週間の開催期間にご参加頂いたお話は160。いやはや、本当に多くのご参加ありがとうございました。
短いものは数百字、長いものだと4万字くらいのお話でご参加いただきましたが、短編のコンテスト期間だったこともあって1万字以下のお話が多かったです。1万字ぴったりのお話や9999文字のお話とか作ってる人、きっと狙ってやってるんだよなあ、すごいなあ。
短いお話は恋愛ジャンルのお話、特に中高生の恋愛をテーマにしたものが多かった気がします。このお年頃の男女の距離感、ちょっとしたことに一喜一憂する感じ、もう、ひゃあぁ!って感じです。
大人が書いてるもの、中高生目線で書いてるもの、色々ですが、場面の切り取り方が良いのですよ。ああ、この状況でこんなこと言われたら、惚れてまうやろーー!!って感じ。
恋愛ジャンルのお話をこれだけ一度にたくさん読んだのは人生で初めてじゃないだろうか。中学生に戻ったような夢を見てしまうほどです。
今回読ませていただいた恋愛ジャンルのお話は一人称のお話が多く、話し手からみて過去の話を語るのではなく、現在進行形でお話が進んでいくスタイルが多かったように思います。
つまり、主人公に感情移入して、どうなっちゃうの?と思いながら読んでいくタイプのお話が多数派ってことです。
主人公が女性の場合にはハッピーエンドあるいは既にハッピーな状態で相手がきゅんとさせてくるお話が多く、主人公が男性の場合には上手くいかない話が比較的多くなる印象です。
新海誠監督の映画なんかもそうですが、男性主人公の場合の方がバッドエンドに向いているってことなんでしょうか。
あと、主人公が男性の場合には暴力描写や性描写がキツイものもありました。いや、一応は描写ありと注意喚起されてたわけだから、心の準備をしてから読むべきだったなあとか思いました。
短編だと叙述トリック的な、お話の最後で視点がガラリと変わったり、読者の私が騙されていたことに気づかされるタイプのお話も複数読ませていただきました。
最初っから読み返してしまいますね。
すごく短い話でもそういったトリックはできるのだなあ、と思わされました。
あと、SF的な世界観の作品も結構参加いただいていました。世界観を構築する過程がすごく大変そうだけれど、ハマったらすごく面白そう。すごく作り込んだ世界観なのに短編でさらりとしたお話って考えてみるとすごく贅沢な気がしますね。
思ったよりも異世界ファンタジーのお話は多くなかったように思います。ギャグなどは別として、王道の異世界ファンタジーは短編向きではないのでしょうね。
想像していなかったのは、児童文学や昔話といったスタイルに近いお話に複数参加いただいたことでした。いや、振り返って考えてみれば字数からするとこういったジャンルを求めてる企画なんじゃないの?と自分でもツッコミを入れたくなるのですが、カクヨムって場所がなんとなく異世界ファンタジーが多く、ホラー、ラブコメ、現代ドラマなどが続くようなイメージだったので、これらの作品群に触れる機会があまりなかったんですよね。そういう意味ではこれらの作品のおかげでカクヨムの楽しみ方が広がったってことになります。
そして、これらのお話ってレベルが高い話が多かった。語彙もかなり選んでいる印象だし、言葉のリズム感もすごくこだわって作ってあるっていうか。
それから、上手い、といえばアマチュアではないレベルの作品で参加いただいた方々もおられました。よく見たら、既に賞を取っておられたり、雑誌への掲載経験もおありのようでした。参考になりました。
エッセイやノンフィクション風のお話もありました。ほっとするお話が多い印象です。
逆にホラーもありましたが、ちゃんと読後感に配慮頂いている怖いだけではないお話でしたね。
ジャンルの話はこれくらいにして、文章のスタイルで見ていくと、口語体のスタイルが多かったのですが、さらに一歩進んで絵文字入りのお話もありましたね。
詩あるいは詩に近いスタイルのお話も複数見受けられました。色彩感覚を伴うような表現で青や灰色系統の色が思い浮かぶ感じが多かったでしょうか。
ハードボイルドに近いようなゴツゴツした手触りの文体でお話を書いている方もおられました。物語が重厚になりますよね。
いやあ、たくさん読ませていただきました。
嬉しかったり、恥ずかしかったり、楽しかったり、悲しくなったり、悲しくないのに泣きたくなったり。感情が飛んだり跳ねたりして大変でしたが、いい経験になりました。
またやりたいと思いました。
2024年2月27日から28日にかけて記しました。
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