Death or Glory

@johnny773

栄光の死編

第1話:Clash①

「ヒロト!私は火だったよ!」


 俺より先に解表式が済んだサキが笑顔でそう伝えてくる。


「やっぱサキは火だよなぁ〜、いいなぁ〜」

「ヒロトはお父さんと一緒のスキルが良いって言ってたじゃん!」

「まぁね。」

 俺の親父のスキルは植物。そのスキルを活かして野菜や果物、魔法植物などを栽培して販売している。俺はそんな親父に憧れて【親父みたいになりたい!】と思っているため植物のスキルを手に入れたいのだ。しかし、スキルというのはそもそも生まれてきた瞬間にはもう決まっているため後で変更するなんて不可能。

 だから内心不安なのだ。親父と同じ植物のスキルになれるのか。なったとしても扱うようになれるのか。俺は夢見た6歳から17歳まで不安でしょうがなかったのだ。

「大丈夫だよ、お前は俺の子だ」

「親父…」

「そうよ、ヒロトはお父さんのように優しくて

とっても優秀な子なんだから」

「母さん…」

「あんたなら大丈夫よ、私の弟でしょ」

「姉ちゃん…」

「ほら!行ってこい!」

 親父に背中を押されて俺は解表式の場に立つ。

「水晶の前にお立ちください…」

 祭司のような人物が自分と水晶を挟んで目の前に立つ。

「では、始めよう…解表!」

(頼む…!植物…!植物来い…!来い!

植物!)

 「む…!こ、この輝きは…!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3年後…

「ヒロト!起きなさい!」

 母の声で目が覚める。またあの忌々しい夢を見てしまった。

「最悪…今日1限からじゃん…」

俺は森木ヒロト。大都天神大学看護学科の2年生。スキルは光。男なのに光。俺は異質すぎた。何故なら…男で光のスキルは2%にも満たないからだ!

 「え!レアでかっこいいじゃん!」とか思ってたら大間違い!男で光のスキルは死を意味する。

 スキルとは全部で5つ。火や炎を操る《火》のスキル、水や生命を司る《水》のスキル、

木や花などの自然を操る《植物》のスキル、

雷や天候を操る1番カッコいいスキルの《雷》のスキル、そして俺がなったスキル。光。

 これはヒーラーや医者、看護師が使う回復や

サポート役のスキル。つまり、魔物と戦えない

男は生きる価値無し。17歳にして人生終了のお知らせを公開処刑で喰らったのだ。

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