27日目


「ずっと思ってたんだ。おれが男だからパーティに馴染めてないんじゃないかって」

「お、おう」

「おれが女の子だったらよかったなあって」

「そこがわからん。なんでそうなる」


 ラーナがタンクの手に触れた。


「昔からあったのではないですか。その願望が」

「そうかも……」

「恥ずかしいことではありませんよ。自分も、己が世界を焼き尽くす魔法竜だったらと何度も」

「ええい、カウンセリングは良い!」


 私は立ち上がる。


「お前が女になったからといって、あれだぞ、着替えや風呂を共にできるなどとは思うなよ」

「ああ、そこはわきまえている」


 私は気になっていたことをタンクにたずねた。


「それで、コーディになにを言われたんだ」

「何も。親方はお前さんに期待してる。それだけはわかるよ」

「……というか、私からはさほど身体が変わったようには見えぬのだが……ぶっちゃけどこが変わった?」


 タンクはしばらく考えてから、答えた。


「……乳首が違う」

「は?」

「一番最初に感じたのはこれだった。形と大きさがこう、母性を感じる」

「勝手に感じておれ」


「ホヒーー」


 夜が更ける。

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