7日目


「他の妃候補を紹介します」


 プリン・ヴァーティは言った。


 竜炎団で聴いたことがある。

 こういう場所は人を人とも思わない性悪女、海千山千の魑魅魍魎が跋扈しているものだと。

 そのような場所でなめられないためにも「腹芸のひとつやふたつは覚えておけ」と何度も言われた。言われたが、誇り高き騎士たる私には必要ないと思ったのだ。

 騎士として真摯なる態度で立ち向かえばいいのである。


「よし」


 私は気を引き締めて扉を開いた。

 そこには豪華絢爛、色とりどりのドレスを纏った妃候補の女性たちが立っており、



「でっか」

「え、でかすぎ」

「おおきすぎる」


 胸だけで圧倒してしまった。


「まあ皆様、そのようなはしたない言葉遣い、なりませんよ」


 女性たちの奥から歩み寄る者がいた。


「この第一妃候補の美しさに適うものなどプリン王子以外にはうおでっっっっっか」


 第一妃候補はひっくり返った。

 なにか喋らせろ。

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