4日目


 服と靴に慣れるために私は外へ出た。


「とうとう明日だな」

「いよいよ、屈辱の日々から脱出するんだ」


 悪党ども、『フランブワヤ』のメンバーがなにやら話し込んでいる。

 私には関係ないことだが、逃走の手掛かりにならないかと耳をそばだてる。


「男だからというだけでしんどい仕事ばかり、そうでなければ女の慰み者だ」

「こんな国は転覆して当然だ。そうだろ」

「ああ」

「これもセイント兄貴のおかげ…くっ」


 男たちは泣き出した。

 男の泣く声は聴いてやるものではない。私は移動した。


 裾の長いスカートも慣れればなんてことはない。腰にマントを巻いてるようなものだ。

 私は明日の武闘会のために鍛錬を積み、日が沈むと同時に寝た。

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