綺麗に殺しすぎたかな?

那須茄子

ちょっと、綺麗に殺しすぎたかな?

 花が咲いていた──赤いハナが咲いていた────真っ赤に広がって、裂いていた。



 まるで鳥籠のような窮屈な空間に、綺麗に並べられている。



 見ようによっては、花のように見える五人分の死体。

 


 それらは赤色に染まり、踝までどっぷり浸かるほどの浅い川が出来上がっていた。



 少し動けば、水面に波紋が浮かび、音が木霊する。



 なんだか生命の悪あがきを見せつけられているようで、不快感が押し寄せる。


 

 もう、死んでいるのに。

 

 もう、肉塊へと成り下がっているのに。



 どうして、こんなにも脈打つ鼓動が、はっきりと聞こえるのだろう?



 .....ちょっと、綺麗に殺しすぎたかな?

 

 

 

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

綺麗に殺しすぎたかな? 那須茄子 @gggggggggg900

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ