ランキングシステム

 何か面白い小説を読みたいと思った時、あなたはどんな行動を起こしますか。書店に行く? 図書館に行く? それともWebサイトを覗く?


 きっと人によって様々だと思いますが、上に挙げた例は、それぞれ目的もそのための方法も違うと思います。


 私の例ですが、書店に行く時は、目的の本を買う時と、店内をぶらぶらとして、面白そうな本を探す時があります。

 これは図書館を使う際もそうで、基本的には読みたい本を「検索し」、それを借りに行きます。そのついでに、いくつか本を見繕ってくるわけです。


 つまり、これらは最初から「面白そうな」本をどこか「別のところ」から知って、行くわけです。本屋にも、図書館にも、本は読み切れないくらい膨大にあります。

 その中から適当に手に取って、まあ、あり得なくはないですが、自分にとって面白いものを見つけるのは非常に難しいのです。


 だから面白い小説を読みたい時は、まず有名な小説や作家から入り、作家の中でも、代表作と言われる作品を読みます。その一冊を読むと、作家の傾向がだいたい掴めるので、その人の別の作品をもっと読むのか、別の作家を探すのか決めることができます。


 これらはオールドタイプでオーソドックスな小説の探し方です。


 では、Webではどうか?

 Web小説では、その作業を「ランキング」が担っているんです。


 というか、ほぼすべて、「ランキング」しか担っていません。私は、現状のシステムで、「ランキング」以外で“自分にとって”面白そうな作品を探すことはほぼ不可能だと思っています。


 一応「タグ」という機能があり、それで探すこともできます。たとえば「SF」「AI」を使った小説が読みたいとか思えば、それで検索することができます。


 でも、そうして出てきた作品が面白いかどうかはなにもわかりません。作品は誰でも投稿できるので、それこそ選べないくらい膨大な数があります。


 星の数というものもあります。でも、星をつけるシステムにも色々問題があるようだし(相互に読み合ってつけることもできるらしい)、それに、星がいくらたくさんついていたって、“自分にとって”面白いかは別問題です。


 これは紙の本でも同じで、ベストセラー小説が自分にとって最高の作品とは限りません。


 そして、「ランキング」以外で、“自分にとって”面白い作品を探す時には、その膨大な数の作品を一つ一つ自分の目で検証し、選ばなくてはいけないのです……。

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