第10話 結論、眠いです


 朝、お尻を向けて横にいらっしゃるから、類まれなる芳香と共に目覚める。

 なんだった、真夜中の二時か三時に頃、丑三つ時を狙っていらっしゃる? という時間にフンフンと口元を嗅いだり、まん丸お手々でポンポン叩いて起こして下さる。


 目覚めれば、「上手に出来たからっ! 褒めて! トイレ綺麗にして!」と、キラキラの目を向けてくる。これは、はい、一度起きてトイレを綺麗にするというのが、当然の使命!! ここで起きずに下僕は名乗れぬ!!


 低血圧で睡眠をこよなく愛する私だが、ググっと、老骨間近い中年骨に鞭打って、枕と自分を引きはがし、「上手に出来たね~。偉いね~」と、猫様の頭を撫ででから、ビニール袋と猫トイレ用のシャベルを装備。

 トイレを綺麗にして。手を洗ってから布団へ戻れば……はい、トイレで新たなる仕事を錬成して下さっている。


 再度、ググっと中年骨に鞭打って……。


 そしてようやく、布団に戻って眠りにつけば、目覚まし時計が起こすよりも早くに一行目のような状態で目が覚めるのだ。


 そして、目が覚めた時。


 あ、起きたの? おはよっ!


 全身でそう言っていらっしゃる猫様が、その魅惑のモフモフボディでスリスリして下さるからッ!! とっても癒されてしまうから!! あまつさえ、「まだ時間あるなら、一緒に寝る?」って、猫様が布団で潜り込んで下さるから!!


 猫体温でポカポカのお布団に抗える術を私は持たない。


 はい、次に目覚める時は、目覚まし時計の鳴る時間のはるか後。

 なんだったら、え、鳴った??

 って、状態。


 ええ、とっても幸せです。



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