22色 マルの試練4
モンさんのその一言を聞き私は肩の力を抜く。
「すぅ……」
「いやーまさかオラッチが一本取られちまうなんてなー」
カアー悔しいぞとモンさんは悔しそうにする。
「はあ……体がバッキバキに痛いですよ」
膝を付き、カラダの痛むところをさする。
「そのまま遺体になっちまったりな」
「不吉なこと云わないでくださいよ」
モンさんのダジャレに私はガチトーンで返してしまう。
「まあ、冗談はさておきこれでも飲んでみろよ」
モンさんは何かを投げてきて、私はそれを受け取る。
「何ですか? この怪しい液体は」
それは、小瓶の様なモノに透明ながらも少し青い液体が入っていた。
「それは《神水》っていってな簡単にいえば回復薬みたいなもんだ」
「そんな超絶貴重そうなモノ頂いてもいいんですか?」
とんでもなく貴重そうなものを渡され驚く。
「気にすんなオラッチ達にとってはプロテインみたいなもんだ」
「急にランクが下がった気がします」
「体の痛みは多少残るかもしれねえけど、体力と魔力は大幅に回復するはずだぜ」
「では、お言葉に甘えて頂きます」
蓋を開けて神水を飲む。
硬水の様な味がしますね。 なんて考えていると私の体が光だした。
「なっ! なんですか!? もしかして私進化でもするんですか!?」
「落ち着けただの治癒効果だ」
モンさんの云う通り、多少体の痛みはあれど全然気にならない程度になり体力も魔力も回復した感覚がする。
「凄いです。世の中にこの様なモノがあったなんて」
さっきまで痛かった場所を触るが、もう何ともない。 ついでに、肩こりも改善されてる気がします。
「一応、これでオレッチの役目は終わったな」
そういうと、モンさんは指を鳴らして、ゲートの様なモノを出現させる。
「オラッチの試練はこれで終わりだ」
二カっという笑顔を浮かべいう。
「それは及第点を頂けたということでしょうか?」
私は心配になり、確認すると頷く。
「おう、全然合格点よ。逆にまたオラッチと戦ってほしいぐれいだ」
「それは出来ればお断りしたいですね……」
私は目を逸らす。
「でも、お話ならまたしたいです」
逸らした目をもう一度向け、本音を笑顔で伝えると、モンさんは「フッ」と笑う。
「まあ、それでもいいや。じゃあな」
「はい、モンさんもお元気で」
私はモンさんに挨拶をしてゲートを潜る。
「ソンだけどな」
最後に何か云っていたような気がしますけど、聞き取れなかった。
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