第26話

「あゆちゃんおはよう」


「おはよう…」


コタローさんも一緒だ。


「昨日のこと覚えてる?」


「あんまり」


「あゆちゃん、飲み過ぎたんじゃないかな」


「確かに、結構飲んだ…」


「やなことあった?」


コタローさんに頭撫でられてる。気持ちいい。


「なんだっけな…あ、病院行ったらまた来てって言われて」


「うん」


「もしかしたら、読めるようになるかもだから、友達は…怒るかな」


「え?読めたら嬉しいのに?」


「違うかも…友達は車椅子だから、お互い助け合おうって、子供のとき言われた」


「でも、今までだって会ってたわけだし」


「…そうなんだけど」


「嫌われたくない?」


「うーん、わかんない」


「とりあえずご飯食べよ」


「うん」


寝起きなのに、優しすぎる。

コタローさんがお店で作った朝ごはんをもらう。


「あゆちゃんは、言いたいことけっこう言えてないのかな?」


「わかんない」


「昨日は結構しゃべってくれたから嬉しかったよ」


「…えー、どんなこと?」


「えーと、俺から誘って欲しいとか」


「え、え、なにそれ…」


全然覚えてない!


「あとは、遠慮しないでって」


「忘れた!そんなの覚えてない!」


「誘ってほしい?」


「べ、別に!」


「説明したよ。あゆちゃんの体調いいとき、あゆちゃんがやりたいなと思った時が、いいって。俺、わかんないから」


「…うん」


「遠慮はしてないつもりだけど、物足りない?」


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