第24話 準備期間に召喚……何も問題ないね、ヨシっ!!

 陰陽師の依頼を出してから2日後の事、改革と言う名のテロ行為を結果を成功に収める為に準備として、召喚を行おうとしていた。


「大分開拓してるね………」


「そう?こんなの序の口だと思うんだけどね?」


 エンペラーの研究室の一つで、とても大きな部屋に大体……というか全てが白で床が僕達を反射しているくらいにキレイな部屋。ここの目的はトレーニングの為に作られた物らしく、彼女の今持っているタブレット人差し指で砂漠地帯や宇宙空間………何なら過去の環境まで再現することが出来るらしい。


「ここから前、君が言っていたハンターの時みたいに部屋がぶっ壊れたりすることはないと思う。それに、壊れたとしても、自動修復機能がついてるから、時間を掛ければすぐに治る。どうだい?文句ないだろ?」


 えっへんと胸を張るエンペラー。ダボダボの白衣で見えなかったがそこそこあるようで、より強調される。


「本当に文句ないよ……」


 その張った所も……なんて言ったら鉄拳を食らいそうだから黙る。最近の世の中はこういうのに視線が厳しいからね。しょうがないね。学校でも習ったし。


 用意する物は天使の羽10個に、ほぼダンジョンで生成されるから無料のスライムの核、正々堂々の戦いで勝ったエンペラーの白衣そんな豪華ラインナップを惜しげもなく使うのだからきっとすごいのが出るのに違い無い。


「エンペラー、なんかあるかもしれないから準備しておいて?」


「オッケー。アイテムボックスを持ってくるね。」


 足早に出ていく彼女を見守りながら、準備を始める。あ、ちょっと転けそうになってる。………彼女を無視し五芒星の紙から血を垂らし、その後焼いている素材に近づけ燃やす。


 しばらくすると、同じ様に姿が付けられていく。しかし、とんでもなく小さい。………ん?


「…………指が空いてる手袋?」


 そこにはフィンガーレスグローブがあった。とはいえ、雰囲気としては、やはり普通のものではなく所々が赤く染められて、気味の悪さが強調されている。


「ハァッハァッ……ゲボッ……も、持ってきたよ………ゲボッ……」


 虫の息のエンペラーが腰に布で作られたアイテムボックスを持ってくる。息も絶え絶えなのが分かる通り、エンペラーは致命的に運動神経が悪い。50メートル走でも体力切れ起こして30秒になるくらいとんでもなく弱い。


「………あ、あれ?………召喚は……?」


「……下の方にある………何なんだろう?」


 息を整えたエンペラーはその手袋を見ると口を開く。


「ああなるほど………寄生型だよ。ちゃんと生きている。こういうのは宿主を操るから、放置して正解だね。」


 そう言うと、僕のジッポライターで、その指空き手袋を燃やす。


『キョッッッッ!!!、エェェェェ!!』


 情けない断末魔をあげながらそのまま燃えて消えていく。それをニコニコと変わらない表情で焼き殺すエンペラー。やっぱりマッドな気質あるよ。しばらくすると焼け死んだところから小さなミミズのような物が半分ほかほかになった状態で飛び出す。


「……これだ。コイツが寄生虫。……昔はこれを利用して街を支配したっけなぁ。懐かしい思い出だよ」


 タハハッ!と笑う彼女に若干の恐怖を抱いたのものの、カードとなった寄生虫入り手袋を見る。


 ーーーーーーーー

 手袋型寄生虫


 戦闘能力

 無し


 Skill

 身体強化 10

 宿主依存 

 屈伏 10

 食料強化 5

 属性魔法:各 10

 魔力操作 10

 ーーーーーーーー


「オー、意外と高水準だね?」


 後ろから覗き見してきたエンペラーが言う。手にはミミズの様なものをゴム手袋で掴んでいる。これを量産する腹づもりだろう。恐ろしすぎる。


「こういう寄生虫はね、何度も倒して行けばいずれ屈服ていうのがSkillで出てくる。屈服1とかじゃあんまりいうことは聞かないけど4位になれば、大体言う事聞いてくれる。原理として、寄生虫同士の共感覚が原因何だって」


「え?じゃあカードにある屈服って………」


「え?………こ、これは当の本人だから………うん………」


 驚き固まったようにフリーズしている彼女を横目に、寄生虫を召喚する。ペタッと、指空き手袋が出てきた。


「………これ…僕が……装着するの?」


「…………うん。最悪の場合、寄生虫は手袋を外せば無くなるからね」


 ジリジリと離れていく彼女を見て、分からなくなってしまう。


「本当に大丈夫?」


「……ウンウン。大丈夫。最悪何かあったら楽にしてあげるから」


それは完全に寄生虫に支配された奴にいう言葉だよと思いながら手袋をつける。すると、手の中に異物のようなものが入ってくる。チクショウエンペラー!!、裏切りやがったな!!


「エンペラー!!不味い!!なにか入ってきた!!」


「それくらいなら大丈夫!!、本当なら血を吐いて所々赤い脈が出てくる!!」


そんなの信じれるか!!そう思い手袋を外そうとするがすぐに抜けない。というか、完全にくっついている。腕ごと切るしかないか?


『…………接続………相手の警戒心マックスだけどヨシ!!』


よくねぇよ。脳内から響くような声で現場猫並のガバガバ安全確認をする。恐らく彼が例の寄生虫だろう。しかし、体が思うように動かなかったり、意識が無くなるようなことはない。屈服のSkillが発動しているのだろうか?


『そっすね? そこん所はわからないっすけど……ま、支配はブレーキがかかって出来ない感じっすね!!』


「ッッッッ!!」


あまりに突然の事に思考を読み取られていることに腰を抜かしてしまう。しかし、寄生虫はそれに驚いた様子もなく続ける。


『別に悪いことをしようなんてことはしないっすよ?オイラが望んだことはメシをたくさん食う事と、安心安全な生活が出来れば良いんですよ!!どうやらここはオイラの思う安心安全な所だとアニキの思考を読んで分かった事ですし、ここは穏便に行きましょう?』


「………まだ信用できない!!」


「おーい!!、連れてきたよ!!」


寄生虫の発言に懐疑心を持っていた所を天使達を連れてきていた。この状況を全員に事情を説明するとスライムはゲラゲラと笑う。


『ギャハハハ、宿主依存の雑魚の分際で示談とか驕り高ぶりスギィ!!』


『ナンナンスカあいつ!! クッソ腹立つんですけど!!』


「けどそうじゃん?」


『………そっすね』


「何言ってたんだろ?」


「知らねェよ、俺に聞くな。」


論破をするととたんに静かになる寄生虫。それを見て深刻そうな表情を浮かべたエンペラーはライトを持っている。


「……………これを使って外す…………今回はワタシの責任がある。無理を言った………」


『へ? や、やだ!!こんな所で死にたくない!!オイラ何もしてないよ? ね、ねぇアニキ?助けてくださいっす!!』


……そんな悲惨そうな事を言われると弱い。エンペラーのライトの光を向けないように下げさせる。


「な、何やってるんだ!?」


「嫌だってさ………一応は実害ないし……持ち越しってことにしよう」


『え?……シャア!!』


そう言うと、弱気になっていた寄生虫は生き返ったかのようにガッツポーズをしたような声を出す。声だけだからわからないが。


「ッチすぐに殺せば良いのによォ!!」


「………まぁ、彼が言った事だから……100歩譲って隙があれば取り除く範囲でいいんじゃない?」


それはギリ許してないんだよ。


それからというもの、寄生虫こと、『ダリー』は新しく召喚モンスターとして仲間になった。姿形は見えないものの、夢の中で形作られた怪物が出てくる所から、それがやつなのではと思っている。


また、最近のダリーはクレーンゲームにハマっている。その途中で陰陽師に襲われたりする事もあるんだが、装着している左手からでかい触手がでてきて返り討ちにする。またその先端から火炎放射も出ることもある。強くね?



各モンスター成長

ーーーーーーーー

ゴブリン

戦闘能力

25


SKILL

新生・棍棒術 1

論破王それは違うよ

同情的精神 7

打撃 6

親愛なる友のためにフレンズ 10

ーーーーーーーー


ーーーーーーーー

スライム 

戦闘能力

27


SKILL

分身 2

変装 1

無限収納 1

暴食食事

親愛なる友のためにフレンズ8

ーーーーーーーー

ーーーーーーーー

天使

戦闘能力

38


SKILL

自由飛行6

新生・槍術 1

回復魔法 Max

浄化魔法 Max

新・身体強化 2

親愛なる友のためにフレンズ 9

ーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ハンター

戦闘能力

36


SKILL

それは一方的である殺戮

身体強化 Max

超距離射撃 Max

百発百中 Max

守る者ハンター

親愛なる友のためにフレンズ6

ーーーーーーーー


ーーーーーーーー

エンペラー

戦闘能力

7


SKILL

叡智を知る者神のみぞ知るMax

過剰な科学技術テクノロジーMax

コミュニケーション 4

私は始めから出来ていた天才Max

この世界の素材は不効率過ぎた素材生成Max

戦況は私の手で覆る智将Max

やっとできた心の理解者 8

生物作成・真 5


ーーーーーーー

手袋型寄生虫

戦闘能力

無し


Skill

身体強化 10

宿主依存 

屈伏 10

食料強化 5

属性魔法:各 10

魔力操作 10

ーーーーーーーー


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る